加納朋子『二百十番館にようこそ』
児童文学のような柔らかさのある作品。離島に住むことになったネットゲーマーの住む館に、少しずつ同居人が集まってきて……という道具立てはそれだけで楽しい。
あえて露悪的な表現をする語り手が少しずつ変わっていくところが読みどころ。作品全体にそれとなく配置されたミステリーは、なるほどそう来たか、と思わされるものでした。
全てがうまくいきすぎかな、と思うところはあるけれど、久しぶりにこういう作品を読んだな、という満足感が残ります。
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