NHKのディレクターとして日本で働く若きウクライナ人女性自身の取材による、戦禍に見舞われている祖国ウクライナの人たちの現状リポート。
祖国に残してきた両親はじめ同胞の安否を気遣う気持ちと、安全な地(日本)にいる自分は祖国のために何もしていないという葛藤…
とりわけ私の心に響いたのは、ロシアの侵略に対して徹底抗戦し続けるウクライナの現状を前に露呈した、「平和」や「勝利」についての、ウクライナ人と日本人との間の考え方の差異について。ウクライナ人にとって平和とは、ロシアによる侵略戦争に「勝利」のうえの「平和」でありウクライナの地からロシア軍を追い出し自国の言語や文化を守ることを意味するのに対し、日本人にとっての「平和」は戦争をしないこと、「勝利」=戦うこと・殺すことであり自分を守るためであっても戦うことは良くないこと、のように考えているようだと。日本が他国から侵略され家族が奪われたらどう感じるのか聞いてみたいーこの問いに対し、徹底した平和主義を掲げる憲法を持つ私たちはどう応えるべきだろうか。