【日本ペンクラブ声明】「いますぐ再審制度の抜本改正を」
これまでも冤罪事件が明らかになるたびに、警察や検察の取り調べの課題や高すぎる再審開始の壁が繰り返し指摘されてきた。再審制度のなかでもとりわけ検察官の抗告や証拠開示のあり方は、諸外国の事例に照らしても明らかに人権への配慮に欠けるものであり、大正時代のままといわれる日本の現状は看過できない。
このたびの袴田事件においても、今日の判決で裁判所が、検察側が提示した有罪の最重要証拠について「捜査機関によってねつ造された」と明確に認定したように、解明・解決されなければならない多くの問題を浮き彫りにした。
再審制度の抜本改正については問題点の整理もすでになされており、あとは政治的決断を待つばかりだ。日本ペンクラブは、国会及び政府に対し、早急に法改正に取り組むよう求める。
2024年9月26日
一般社団法人日本ペンクラブ
会長 桐野夏生