東京ポッド許可局で、3人が『パーフェクト・デイズ』の感想をおしゃべりしていた。
序盤、東京に生きる「おじさん」として、いいよねえあの生活~みたいな話だったので、このまま手放しで賞賛するつもりか、と警戒していたら、そうでもなくて、ギリギリ安心した。
自ら貧困を選び取り、周囲の人間を心地いい気持ちにさせてくれる「社会にとって都合のいい初老男性」というファンタジーが描かれていることは、一応3人によって指摘されていた。他者と深い関係性を持つことを一切拒むことを「ああいう生活ラクだよね」と憧れる気持ちを持つことは危険だと思う。
あと、仮に本当に平山のような人間が存在するとすれば、文学と音楽を愛し、楽しむ余裕があるにもかかわらず世間(政治)に一切興味を持たずに生活する彼は、修行僧だの孤高の存在だの自由人だの憧れるような対象ではなく、ほんとうに無責任だし頭悪いと思う。初老にもなって、政治がどうなろうと自分は自由にいつまでもこの愛すべきルーティーンを繰り返していける、と信じているのは愚かだ。