(承前)
ミラー大尉同様、職業軍人ではない部下たちの姿に、「戦争ってこうなんだよな」「だから戦争なんてやっちゃダメなんだ」と繰り返し思う。人間なのだから。それぞれかけがえのない個性、自分だけの人生を背負った、それぞれの夢・家族のある人間なのだから。
アパムの存在。
アパーーーーーーーム!!弾持ってこーーーーい!!!
アパーーーーーーム!!!
アパムは私だ、と思わずにはいられない。というか、スピルバーグは観客に向けて「アパムは君だ」というメッセージを込めていると思う。
戦争をリアルに撮れば撮るほど、結果として反戦映画になる。
スピルバーグとヤヌス・カミンスキーの知性と才能が産んだ、これ以上無い傑作。
戦争映画史の、ADとBCを分ける作品。