以前の投稿で見た「6時間後以降の予想降雪量は分かるのか」について調べました。かなりの長文になります。ご容赦下さい。分けて投稿します。
気象庁のサイトには降雪短時間予報があり、6時間後までの予想降雪量が分かります。
https://www.jma.go.jp/bosai/snow/
先ず、降雪量の予報はかなり難しいです。気象庁のサイトにもありますが、風で飛ばされる、気温が高いと溶けるなどで降雪量は変わってしまうからです。
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/kurashi/snow.html
では、今現在の降雪量は計測しているのか?実況といえばアメダス。例として、札幌のアメダスを見ます。ここのポイントは積雪量(積雪深)はあるが降雪量がないこと、そして降水量があることです。
https://www.jma.go.jp/bosai/amedas/#amdno=14163
気温が氷点下なのに降水量?と思うかもしれません。実はアメダスは、雪やあられなどを溶かして水にしてから観測しています。
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/amedas/kaisetsu.html
#調べもの #fedibird
降雪量と降水量の間には関係があり、降雪量[cm]を降水量[mm]で割った値を雪水比[cm/mm]といいます。
同じ降水量でも気温が低いと降雪量は増え、気温が高いと降雪量は減ります。おおざっぱに言って、1mmの降水があった時に気温が1℃くらいと降雪量は0.5cm、0℃くらいだと1cm、氷点下だと2cm(上のサイトでは1.75くらいになっていますが、下の投稿ように2とする調査結果もあるようなので、計算を簡単にするため、ここでは2とします)です。気温が低いと更に降雪量が増す、つまり雪水比が2以上になることもあるようです。
https://blog.goo.ne.jp/qq_otenki_s/e/a03993fde9abdef32f35937545dadc92
https://twitter.com/OtenkiQq/status/1620303831275012096?s=20
気象庁作成の資料は、9スライド目に「湿った雪で雪水比は通常「0.5~1.0」程度」とありました。雪水比は湿度にも影響を受けます。
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/minkan/koushu121207/shiryou2.pdf
これで降水量の予想が分かれば、おおよその降雪量が計算できることが分かります。
気象庁のサイトにはもう1つ、降水予報があります。数値予報天気図です。これも専門家が主にみる資料です。
https://www.jma.go.jp/bosai/numericmap/
夜に翌朝までの降雪量を調べたい場合はFXFE502の00UTCのPDFを使用します。
使用するのは右下の地図。夜にこれをみると、夜9時から翌朝9時までの12時間降水量[mm/12h]が10mm毎に点線で描かれています。周りより降水量が多い地点には値が書かれています。これに雪水比をかければおおよその12時間降雪量[cm/12h]が分かります。
ただし、同じ地図上に気圧や風向風速が描かれているため、とても見にくいです。専門家が主にみる資料なので当然かもしれませんが。
例として、日本気象協会の網走の予想1時間降水量をみます。予報は乾雪で、22:00までの1時間に1mm/hの降水が予想されています。予想気温が-5℃であるため、雪水比に2を使用すると、2cmの積雪の可能性があると予想します。以降24:00までは0mm/hであるため新たな積雪はない、となります。
例その2。気象庁の数値予報天気図、FXFE502を見ます。新潟と長野の県境付近に+27の表示があります。気温が0℃であれば翌朝9時までの12時間に27cmの積雪の可能性があると予想します。
例その3。札幌のアメダス。10:00に0.5mmの降水があり、積雪が20cmから22cmになっています。この時の雪水比は(22-20)/0.5=4になります。気温は-2℃。雪水比は大きい値となっています。雪水比が少しでも変わると、積雪量に大きく影響するので、やっぱり予想は難しい。
長文大変失礼しました。間違い、分かりにくい等ありましたら、ご指摘願います。