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skyのシステムで面白いのが「フレンドの名前を振るのは自分」てとこ。

今出会って身振りで通じ合ったみたいな人に、チャットで名前は何ですか?と聞かなくて良い。こちらが見分けがつくように任意の名前を振るのです。だから読めないとか、同姓同名とかもない。めんどくさかったらシステムがランダム文字列で振ってくれる。

これは近現代の名前という概念を覆してくる感じがあって。ある人が確固として持っている名前、アイデンティティの表示、ではなくて、あくまでも外側から他と区別するための便宜上の記号でしかないってこと。

これが成立する背景には、遠くから名前を呼ぶことがない、という事実がある。
共通の知り合いであればお互い通じる呼び名があるだろうからそれを使えばよく。
で、システム上、呼びかけは鳴き声だし、用事があればワープするので、「本人が自分のことだと識別できる、他人が自分を指す名前」が要らないんですよね。

楽器演奏のメモリーも「この人の他の作品を区別して表示する」があるんだけど、それも名前はこちらが振る。「皆が知るアーティスト」が成立しない。区別して表示しなければ、他のどの作品と同じ人なのかすら分からない。もしその人のことを他人に説明しようとしたら、連れて行って見せるか、長々と説明するしかない。これってすごく面白い。

アーティスト問題は深掘りすると本当に面白くて、平等性の徹底追及であって、何をしてもすべての他者に埋没させられるのと同時に、アーティスト側は知名度や実績ではなく純粋に作品に対して評価が得られるということでもある。だからなのか、やろうとすればすべての作品で名乗ることが可能ではあるが、やる人は見たことがない。ここで、名乗ることが言語を指定することでもある、という新たな視点が出てくる。演奏に関して言えば、つまり、あまり喋ると観衆が限定されるのだ。
このしかけを考えた人はすごい、と思う。

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