さ、今晩も水原秋櫻子『残鐘』の続きをちょっとだけ読んで寝ますか……。

苺咲き沖を躍らす疾風雲 水原秋櫻子

これは、すごい。やりすぎな感じもするが、スケールが壮大。

水原秋櫻子が「外光派」というのは、現代の照明にあふれた社会にいる人間にはわかりづらいかもしれない……。どうやって理解したらいいかというと、絵画的に誰それのような、みたいなものより、原石鼎や飯田蛇笏、あるいは西山泊雲などと比べるのが良いと思う。外光を取り入れているところは大いにあるのだが、たぶん言い得てなくて、そう、むしろ「闇が浅い」のが秋櫻子の特徴なのではないか……。ちょっとあとの川端茅舎よりも「闇が浅い」。これが、たぶんとても新しかったのではないだろうか……。

初蟬の苔に鳴くやと鳴き澄めり 水原秋櫻子

心にくいリフレイン。カッコいいな……!!

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向日葵や雷後渦ゆく神田川 水原秋櫻子

すごいな……!!超いい句じゃん!!!

『残鐘』読了。解説を読んで、石田波郷が絶賛した長崎浦上天守堂などの旅吟らしい旅吟には私は惹かれなかったなと思った。むしろ、「旅」みたいなテーマがうち沈み、美だけが浮き上がってくる句が、秋櫻子の素晴らしさだと感じた。いい句集だった。
あと、おそらく岸本尚毅が技として参考にしているだろう表現を見つけて、マニアックな喜びを得た。

つぎ、阿波野青畝『春の鳶』だぜ……!!すごいな、『現代俳句大系』!!名句集、全部盛りパフェじゃん!!

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