〈「議事録を読めばわかりますが、科学や研究の重要性、世界一の目的は否定していないんです。そこだけ切り取られましたけれど」
(中略)1位になればどんな研究ができるのか、国民のメリットは何か、2位になる不利益は何かと問う質問だったという。
「予算編成段階できちんと議論をしていれば答えられたはず。『2位じゃダメなんだよ』と、したり顔で言う人は1位が好きなだけです。最初から凍結するつもりだったという指摘は、責任逃れだと思います」〉
〈仕分けから少しして、松岡さんは第三者の立場で質問と向き合ってみた。
世界一の速度が出せる自動車は、世界一の車なのか。そこで価値が決まるのか。速度が世界一でも運転しづらければ、レースに勝てないのではないか。
自分の中で整理できてきた。「重要なのは使い勝手。速度よりむしろ、多様な研究の役に立つかが本来だ。『2位でもいい』と答えてもよかった。ただし、何の研究のために、どんなマシンが必要なのかを明快に説明できなければならなかった」〉
良記事。
世界一のスパコン「富岳」、「2位じゃダメなんですか」への科学者の答えだった…2009年11月[あれから]<30> : 読売新聞 2022/11/14
https://www.yomiuri.co.jp/national/20221112-OYT1T50227/