千葉雅也『センスの哲学』(文藝春秋、2024)、読了。
〈センスとは、「直観的にわかる」ことで、いろんなことにまたがる総合的な判断力である直観的爱合的判断力。そして、感覚と思考をつないだようなものである。〉とセンスを定義。
ものごとをリズムとして捉えること。ものごとのリズムを、生成変化のうねりとして、なおかつ存在/不在のビートとして、という二つの感覚で捉えること。意味や目的からリズムへ、リズム=うねりとビートに乗ること。
人間は、しばしば予測誤差に喜びを見出す。個性とは何かを反復してしまうこと。
著者は、モデルを再現しようとして不十分にしかできない「下手」よりも、再現がメインではなく、自分自身の線の運動が先にある個性である「ヘタウマ」を奨める。
とても読みやすかった。私はもともと美学や芸術に関心があるので、驚きよりも、共感を持って読んだ。
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