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朱 喜哲 『〈公正(フェアネス)〉を乗りこなす: 正義の反対は別の正義か』(太郎次郎社エディタス、2023)読了。

ジョン・ロールズとリチャード・ローティを中心に、その議論やことばづかいを「推論主義」「意味の使用説」の立場から検討する。
ロールズが導入する「正義(justice)」と「善/よいこと(then good)」の区別、正義の「概念(concept)」と「構想(conception)」の区別を押さえ、「よい」ことについての考え方(「善の構想」(conception o the good))は個々人の考え方や価値観であり、それ同士は互いに衝突し抗争を招くことがあり得る。対して、「正義」は競合し得る善構想同士を、調停し、合意に至った状態において実現するものであり、そのための一連の手続きであるとする。

個人的には、「正義」とは構造の問題だとし、「合理的配慮」なる言葉が負担感をともなった言葉遣いだと指摘。「しかるべき調節」と訳出すべきだったとする点に強く興味を持った。

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