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清水晶子/ハン・トンヒョン/飯野由里子共著『ポリティカル・コレクトネスからどこへ 』(有斐閣、2022)読了。素晴らしい本だった!!
互いの専門領域における食い違いも顕になるが、認識において関係し合い、大元にある「差別」の問題を深く掘り下げる。マジョリティの「寄り添い」という個人化された心の有り様ではく、マイノリティの「権利保障」を焦点化するという姿勢は共通しているだろう。
ハンが「ポリティカル・コレクトネス」を「社会的な望ましさ」と置きなおし、「不特定の他者の尊厳を傷つけないための知」と可能性を引き出す第6章は白眉。
議論を続ける大切さと、議論における「消耗戦」にいったん「栞」を挟み「咀嚼」の段階に入る意義など、いま考えたい論議が交わされていた。

《…多様性を 重視する社会においては、互いの違いによって生じるコンフリクトと向き合い、互いの違いを無視したり否定したり抑圧したり、一方を他方に同化するよう強要したりするのではなく、社会的公正に資するかたちで違いを交渉していくことが求められる。そうした交渉を粘り強く続けていくプロセスのことを「共生」と呼びたい》との飯野のあとがきに目が熱くなった。
#読書
yuhikaku.co.jp/books/detail/97

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