香水つけた7の話どっかで書いた気がする。6が一瞬理性吹っ飛ばす感じの
寒いのは好きじゃないから
氷型の魔法を使えば、当然周囲の空気が冷やされ身体も冷える。
別にそれは我慢出来るのだ。型は変えようがないし、そもそも戦闘中に自分が行使する魔法に怯んでなどいられない。
けれど空離れの季節の、底冷えするような冷気にも平気で耐えられるのかと問われれば、ナナリーはこう答える。
私別に寒いのが好きなのでも得意なのでもないわよ、と。
窓の外で雪華が踊る。霜が降りる。
外とは対象的に充分に温められた室内。ぴったり隣り合って座るソファの上でそれでも肩を寄せると、陽だまりの匂いと温もりを持つ男がくすくす笑ってナナリーの髪を梳いた。そのまま流れるような動作で頬にキスを落としてくる。
女ったらしめ、と長年ナナリーが思ってきたアルウェスは、今ではナナリー限定のキス魔だ。
柔和な笑みを含んだ声が耳に心地良い。
「空離れの季節が一番好きな季節になりそう。君からくっついてくれるし」
「……からかうなら離れる」
減らず口を叩く湯たんぽは求めてない、と唇を尖らせる。
「そんな事言わないで」
もっと温めてあげるからおいで。広げられた腕の中に、不貞腐れたナナリーが飛び込んだのかどうか。
それは二人だけが知っている。
#1T67SS
熱いのは君のせいだから
いっつも私だけがどきどきしてるし顔を赤くする、と彼女は頬を膨らませるけれど。
彼だって高揚もするし鼓動を高鳴らせたりもする。身体も熱くなる。つまらない男の矜持で、顔や態度に出さないだけで。
そして、空離れの季節を迎えて人肌が恋しくなったのか、無防備にくっついてくるようになった恋人は、ようやくその事に気付いたらしい。
アルウェスの懐に額を懐かせたかと思えば、瞬きをしながら面を上げ。伸ばされた白い手がアルウェスの頬を包む。
ナナリーが驚きを滲ませた声で呟く。
「いつもより温かい。え、熱でもあるの?」
「何でそうなるの。……僕だって、好きな子に急に抱きつかれたら、多少動揺するし照れもするよ」
表情は取り繕えても、体温は統率出来ない。感情の振れ幅に合わせて熱くなるがままだ。
アルウェスも動揺するのね、と少し嬉しそうにナナリーが声を弾ませる。何も知らない、鈍感で愛しい氷の魔女。
アルウェスの感情を揺らすのは、昂ぶらせるのは。炎のように熱く、それでいて制御不可なものへと変えてしまうのは。
彼の心に真の意味で熱を灯せるのは、もうずっと前からたった一人だというのに。
#1T67SS
とーみさん深呼吸してて笑った
最近はまほうけ67二次創作の民。成人済。
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