ウルティマ・トゥーレの手帳を埋めるのは楽しかった うろんな魚しかいないぜ!
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光ラハの少しふしぎな話2
ラハが昼寝をしている間に買い物に出かけることにした。
起きる頃に美味しいものを食べさせてやりたい。自分としてはがっつり肉料理を食べたいが、さて何かいい素材があるだろうかとマーケットへ向かう。
すると道の端に赤毛の猫が両足を揃えてちょこんと座っていた。
明らかに警戒してますといったその猫の雰囲気に思わず笑いかけながらこんにちはと挨拶して通り過ぎる。
途端に猫は腰をあげてついてきた。お前にあげられるものは何もないよ。そう伝えてはみるものの、足に頭突きをくらってしまう。
猫はきまぐれというし、しょうがない。そのうち飽きてどこかへいくだろう。そう考えることにした。
「俺はこの先のマーケットで買い物するけど大人しくしていてくれよ」
そう告げれば、ニャアと大変良い返事が帰ってきた。猫を引き連れマーケットを覗く。野菜に向かって前足を伸ばす猫を悪戯されてはかなわないと持ち上げれば、嫌がらずに抱え上げられてくれた。
抱えた猫が前足を伸ばすものはどれも美味しそうだ。調理も良いが生のままでも魅力的で猫に促されるままに買い込む。
さて次の店に向かおうとすれば魚屋の前でにゃあにゃあと大きな声をあげだした。
こちらは #光ラハ_光公のすこしふしぎな話 企画アカウントです。
投稿頂いた光ラハ・光公のすこしふしぎな話を、ネットプリントにて冊子印刷用データとして配信をする予定です。
【投稿受付期間】
2024/9/2(月) 23:59まで
※状況により延長する場合あり
【企画概要・要綱】
https://docs.google.com/document/d/1Dgvf1z90jbouYnkGZ9nmyBR2DVUIKuSYRla7eNxzHDg/edit
「集まった作品・つぶやきを冊子形式にまとめてネットプリント配信する」という性質上、作品データ作成や投稿方法について、少々お手間をいただく仕様となっております。
参加の際には企画概要・要綱をご一読下さい。
ご不明点がありましたら本アカウントにリプライ・DMを頂けますと幸いです。
なお、この投稿をもって受付開始といたします。
ご参加お待ちしております!
光ラハの少しふしぎな話
帰り道、ふといつもと違う道を帰ろうと思い立ち、目に入った路地へと入った。この辺りはよく知っている。普段と違う道でも問題なく帰りつけるだろう。そんな軽い気持ちだった。
いつもと違う街並みを楽しみながら、のんびり進んでいく。そうしているうちに見慣れた景色が出てきてさぁもうすぐ家だと思った次の瞬間、気がつけば元の場所に戻ってきていた。
見慣れない景色に気を取られ道を間違えたのだろうか。首をひねり再び歩き出す。
だが不思議なことにその時の俺は引き返そうという考えがとんと出てこなかった。
しかしどれだけ歩いても知った場所にまで出たと思えばまた元の場所へと戻っている。
さて困ったぞ。立ち止まり、今度はどちらへ向かって歩き出そうかと辺りを見回す。ちょっとした散歩のつもりだったのに日も暮れはじめ、次第に薄暗くなってきた。
そんな時だった。よく知った声が聞こえてくる。
ヤンキー
「オラッ、金出せや!」
ガリ勉
「…」チャリーン
ヤンキー
「なんだぁ?古くせぇ小銭だな。5円玉か?
おい、これいくらだよ?」
ガリ勉
「…六文銭、三途の川の渡賃だよ…」
ヤンキー
「…!」
ヤンキー
「三途の川って有料なんか!!」
ガリ勉
「そうだよ。あと文つながりで、早起きは三文の徳であって、得じゃないからね。三文は現在では60円くらいだから寝てた方がマシ、みたいに言う人がいるけど、本来は早起きしたらほんのちょっと良いことがあるよ、みたいな意味だからね」
ヤンキー
「はぇー、詳しいな!」
ガリ勉
「あと、君はここが弱いって事も知ってる」
サワサワ
ヤンキー
「ッ!」
ガリ勉
「勉強は終わり、遊ぼっか…」
ヤンキー
「///」
聞こえて来たのは
男性の声ですか?
女性の声ですか?
無意識の偏見に気づくことから
始めませんか?
AC(アーマードコア)
すこし不思議な英雄と、ラハの話。 光公・光ラハ。 ■ いつだってあの人は、オレにとって、憧れの英雄なのだ。
冒険者だった頃のあの人は、斧を振り回すことは得意なくせに、弓が酷く苦手だった。オレと同じミコッテ族なのにどうして弓が下手くそなんだよと揶揄うと、拗ねたように「うるさい」と睨まれた。
あの人の、不機嫌さを隠さない尻尾の動きが面白くて、オレはいつでも彼に纏わり付いていた。
距離が近かった。お互いの尾がぶつかることも多かった。その度に「近すぎるんだよ」と、彼は一歩引き下がった。
オレはそのときの、彼の困った顔が好きだった。思えばこの頃から、オレは彼に好意を抱いていたのだろう。
第一世界で再会した彼は、酷く憔悴しているようだった。あまり手入れのされていない無精ひげは、実年齢よりも年を重ねているように見えた。
オレが彼に抱かれたのは、その再会からしばらく経ったあとだ。
第一世界に夜を取り戻した。水晶公は生き長らえ、闇の戦士である彼が、大罪喰いになることもなかった。お互いが、生き延びたことに興奮していた。ある意味で浮かれていた。
勢いで彼の胸に飛び込んだ。彼はオレを丁寧すぎるほど丁寧に抱いてくれた。
彼にはないはずの尻尾の付け根を、やたらと擦られたことは決して忘れられない。「俺にはないモンだから、楽しくて」と、彼は笑っていた。
目覚めると、両眼から涙を溢れさせている彼がいた。英雄と呼ばれる彼が、こんなにも泣くことがあるのかと、オレが真っ先に感じたのは驚きだった。
「えっと……おはよう」
戸惑いながら告げると、彼の大きな体躯がオレを包み込んだ。体格差がありすぎて、オレは潰されてしまうのではないか、そんな風に思ってしまうくらいの勢いだった。
彼は抱きしめながら、ぐりぐりと角を頬に擦り付けてきた。いつもの愛情表現だった。しかしこのときは痛くて堪らず、肌が切れるのではないかと慌てて彼の背中を何度も叩いた。
水晶公だったときの頬は結晶化していて硬かったから、彼の角とオレの頬とを擦り合わせても平気だったのだ。しかし、生身になった肌は弱い。彼の角を受け止めきれない。
オレの頬にできてしまった傷を見て、彼は何度もごめんと謝ってくれた。
オレたちには、また別の愛情表現が必要になった。
「ラハ」
呼ばれて、彼を見上げる。柔和な笑みに思わずつられて、オレも笑顔を向けてしまう。
彼が身を屈め、顔を寄せてきた。キスをしよう、その合図だ。
オレは目を閉じる。彼の太く逞しい腕が、オレの背中に回される。鋭い爪を持つ彼は、こちらを気遣うように柔らかく抱き締めてくれる。それが酷くくすぐったい。
牙がこちらを傷つけないようにと、彼との口づけはいつも触れ合うだけのささやかなものだ。しかしそれが、オレにとってはとても嬉しくて仕方ない。
唇が離れる。
目を開ける。
そうしてから、視線を合わせるために、オレは膝を折り、身を屈めた。
「それで。今日のあんたは、どんな冒険を持ってきてくれたんだ?」
「それはだな……」
オレの英雄は、小さな身体を大きく見せようと言わんばかりに胸を張った。
いつもと変わらない憧れの英雄が、今日もオレの目の前で笑っていた。