Sandrine Revel, Théa Rojzman『Grand Silence』(Glénat)読了。
これはすごい作品だ。一気読みしてしまった。
性虐待を受けた子どもたちの苦しみを幻想的に描いたバンド・デシネ。先日のYoutubeライブでもご紹介した作品。
虐待を受けた子どもたちの悲しみを、首が取れてしまうという表現で描いていて衝撃的。
しかも子どもたちの声は届かない、沈黙を強いられることを空白の吹き出しで描き出す。
この作品の興味深いところは、性虐待問題を単純な個人の問題にせずに、社会全体の問題だとしているところ。子どもたちの空白の吹き出しはGrand Silenceという沈黙工場で回収されている。
その空白の吹き出しに気づいた女性が陳情してもみんな耳栓をして話を聞かない。
耐えきれずに女性は沈黙工場を爆破する。声にならなかった声が溢れ出し、青い人(被害者)と赤い人(加害者)に色分けされる。これもフルカラー漫画ならでは。
メモ。
アセクシュアル(アセクシャル)やアロマンティックを作品で描くときの注意点とは?【基礎編】 https://cinemandrake.com/asexual-aromantic-creator
今度書く小説にアセクシュアルの人を出したいが、どのように描けばいいのだろう。なんというか、ステレオタイプのような描写になってしまうのでは…と心配で…。アセクシュアルと一口に言っても人それぞれではあるのだが、うーん。
今まで書いた小説は、多分アセクシュアルっぽい人は登場してるんだけど、意識して書いてたわけではないからな〜。