クリスタリウムのうわさ 水晶のマメット・ミステル
あんた、マメット・ミステルのうわさは知ってるかい? 知らない? そうか。まあ最近流行り始めた噂だからなぁ。お? 何なのか気になるかい? そうか、それじゃあこの俺が話してしんぜよう。
マメット・ミステルのことは知ってるよな? そうだ、我らが公の姿を模した魔導人形のことさ。今は工芸館が量産してるおかげで、街中でも連れてるやつをよく見かけるよな。俺の家にも居るんだが、かみさんが外に連れ出すと汚れるからって言ってな、なかなか家からは出させてやれねえんだ。ま、それは置いといて。
マメット・ミステルを連れてるやつが多くなったあたりで、自分のやつに印をつけたりするのが流行ってな。女の子はお気に入りのリボンを結んでやったりしてたし、男の子は自慢のかっこいい飾りをくっつけたたな。ローブに刺繍を入れて目印にしたり、杖に飾りをつけてみたり。服を作るのが上手いやつはローブ以外の服を着せたりもしてたな。そんな感じで色んなマメット・ミステルが街に溢れるようになったんだが……その中にフードを被ったやつが居るって噂になったんだ。
まあそっちの姿の方が俺たちには馴染み深いしな。最初はわざわざフードを作ったやつが居るらしいぞってくらいの話だったんだ。そのうわさが変わったのはそのフードのマメット・ミステルを近くで見たってやつが出たあたりだ。なんとそいつによるとそのマメット・ミステルは、フードの中が全部水晶でできてたらしい! そう、まるでタワーのてっぺんで俺たちを見守ってくれてる水晶公みたいにな。
それからも時々水晶でできたフードのマメット・ミステルを見かけたっていう噂が流れてな。落し物を拾ってくれたとか、迷子の子が着いて行ったら親に会えたとか。そう、なんだか本当に世話を焼いてくれてるみたいだろう? それで今はこういう噂になってるのさ。
フードを被った水晶のマメット・ミステルは、時々水晶公が塔の上から降りてきている姿なんだってね。
すこしふしぎなひろラハ(付き合ってない)
仕事の依頼でモードゥナに立ち寄った冒険者。依頼人に完了の報告をした後、ふと気が向いてクリスタルタワーに立ち寄る。天を衝き聳え立つ塔はいつもと変わりなくうつくしい。そういえばグ・ラハは離れていてもクリスタルタワーの状態がわかるようだが、一体どのようにして感知しているのだろう。ふとそんなことを思った。
空へと伸びる水晶の壁にそっと手を這わせる。ひやりとした硬質の感触。
「……ラハ、」
ここにいない人に呼びかけてみる。氏族名を排した名。親密な相手にしか許されないという呼び方を、本人の前で口にしたことはなかった。
当然塔は応えない。なんだか妙に気恥ずかしく、冒険者はすぐに正気に返ってその場を去った。
それから数日後。シャーレアンに作った品を卸すついでに、バルデシオン分館に顔を出した。ちょうど書類の整理をしていたグ・ラハと鉢合わせ、いつも通り挨拶をする。
しかし何故だかグ・ラハは顔を赤らめ、何か言いたげに口をもごつかせた。
「なあ、あんたさ……」
「ん?どうした、グ・ラハ」
「……なんでもない」
何故だかすこし拗ねたように視線が逸らされ、彼の姿がメインホールに消えてゆく。
なにか彼の機嫌を損ねることがあっただろうか。心当たりのない態度に、冒険者は首を傾げるのだった。
最近よくいる。FF14と16の話をする。ひろしが好き
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