ひげおうは激怒した。必ず、かの邪知暴虐の隣の畑のジジイを除かなければならぬと決意した。
ひげおうは加減がわからぬ。ひげおうは、村のおっさんである。しかしこんな時のためにジャッキーチェンの映画を観て暮らしてきた。俺の畑に突っ込み、キャベツを挽きつぶすという隣の畑のジジイの邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。ジジイは俺の酔拳で必ず次のステージに送らねばならぬ!
ひげおうは怒りを抱えたまま農作業を続けた。人の怒りは6秒しか持続しないという。アンガーマネジメントとか言うヤツだ。俺は6秒以内にジジイを滅するべきだった。くそう。タイミングを逸した。かくなる上はジジイが突然、堆肥を食べ出して喉に詰まらせて次のステージに行かないだろうか。
そんなことを考えているとジジイがやってきて言った。
「落花生の苗をやろう」
ひげおうはジジイを赦した。
決して落花生にあの・・ホラ、アレしたわけではない。
だがしかしとにかくジジイを赦した。細かいことは良いのだ。
ジジイの命が落花生で助かるなら安いもんだし、キャベツひとつが落花生30苗になるなら圧勝とさえ言える。
結果、枝豆を植える場所が落花生になった。
主にバイク鯖や某地域鯖で息をしてます。
ここは、不特定の鯖の方と繋がる用のアカウントです。