・差別的な思想を公に表現することは、そういう話者ですということにしたり、カギカッコでくくったりしたところで、話者とかカッコをいわば貫通して筆者の責任になるというのはかなりの程度同意する。
が、それとは別の問題として、
・理解可能なものにすること
自体が良くないという考えに基づきながら、たんに理解を拒絶するというのではなく、実情とは明確に異なるとわかりつつ嘲弄する目的で、あたかも理解可能にしたものかのような見かけのものを作るというのは、それはそれで倫理的問題が生じると思う。
・これと、理解は是認を含意するかという話は、非常に近いことを問題にしているし、実情としてほとんどの場合は両方が同時に問題になっていると思うが、それとも切り分けが必要だと思う。
・理解は是認を含意するか、については、私は「理解」というのを「種々の言葉の意味や、種々の命題同士の関係について把握する」と捉えており、それに照らせば権利的には含意しないと思う。けれども実情としては肩入れを伴うことが多いし、そうしないには──いわば「冷徹に理解」するには相当な訓練を要する。そして、「冷徹に理解」することができたとしても、肩入れよりも広いものとしての「影響」を受けることは避けられないだろう。
二次創作小説とTRPG | 1992 | he/him | サークル・金星のこととか