学生の頃ずっと好きだった彼女の夢を見た。とてと悲しくて甘美な夢だった。
私はすごく悩んでいて、毎日毎日辛かった。彼女を避けてストレスを抱え込んでいた。集会の場所で彼女の斜め前に座った。その時もいつも通り考え事をして辛い気持ちだった。あの人は開口一番「どうしていつもそんな顔してるの」と半ば咎めるように私に声をかけた。驚いて声を上げて反射的に謝った。それについても彼女は眉を顰めた。そんなことしないで、抱え込まないで、などと言っていたような気がする。私は耐えられなくなって伏せて泣いた。嗚咽を殺して、慰めの言葉をかけてくれる彼女の隣でずっと泣いた。辛かったけど気遣ってくれることが幸せだった。彼女は私が泣き止まないのを見て話題を仕事に変えた。そうすれば私が気分を切り替えて機械的に応答できることを知っていたから。つまり、泣かないでと言ってくれていた。私は彼女を困らせていたのに、彼女の優しさに喜んでいた。卑怯で下劣だと思う。でも打ち明けていない以上、そんなやり方しか思いつかなかった。最低の人間だと思う。
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