その日は自室でPC作業をしながら寝てしまったらしい。ギシギシと固まった体を軽くほぐすようにストレッチするとパサリと何かが床に落ちる。いつの間にか肩に掛けられていた毛布が落ちたらしい。マイクか誰かが寝ている間に自室に入ってかけていったのだろうか?
疑問に思っていると視界の端に紙切れがうつる。
またかとそれを手に取って確認すると幾分か長い文章が、またもやあの人の筆跡で書かれていた。
『どうやら君が寝ている間は記憶が戻るようだ。ちゃんとベッドで寝ないと風邪ひくぜ。君に辛い思いをさせてすまない。君がとても心配だ。』などといった内容で……!?
という夜な夜な寝ているi澤くんの部屋に忍び込んで様子見に来ては手紙を残す🐐さんの記憶喪失話が読みたい。
そして解除方法は睡眠姦であってほしい(ここがメイン)
#オル相
思い出したのか?とあわてて職員寮のリビングへ駆け込む。この時間ならあの人はキッチンで朝の紅茶を入れているはずだ。
「おーる、まいとさん…」ドクドクと心臓が早鐘を打つ。
「君は…iザワくん…だっけ、おはよう。よく眠れたかい」振り返った彼は民衆に向けるような顔で笑う。
「おはよう、ございます…」愕然とした。
彼はまだ思い出していない。なのに何故、あの紙切れは一体なんだ?イタズラにしては悪質すぎる。でもあの筆跡は間違いなくあの人のもので…もうわけがわからなかった。ただの同僚に向ける笑顔で紅茶を勧めてくる声に「結構です」と断りをいれて自室へ戻る。
扉を閉めるとその場にずるずると座り込んで顔を覆い大きく息を吐く。
どんなに辛くても仕事の時間はやってきてしまう。重い体を引きずるようにしてi澤はいつものようにゼリー飲料を体に流し込んだ。
唐突に記憶喪失🐐のオル相の話するんですけど、i澤が捕縛したヴィランに「恋人が自分だけを忘れてしまう」という個性をかけられてしまい解除方法を中々供述しないヴィランに焦れる毎日。更に恋人が自分だけを忘れているという事実にわかってはいたもののチクチクと針が刺さったかのように心が痛む。
ヴィランとの面会、学校業務にヒーロー業。疲れ果てたi澤は珍しく日付けが変わる前に半ば気絶のような形で就寝する。
朝目が覚めて幾分かすっきりしたi澤はふと机の上に目をやる。すると昨日は無かった紙切れが1枚。そこには見慣れた筆跡で『ごめんね、大好きだよ』という文字が。