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ジョナサン・ゴットシャル 著/月谷 真紀 訳 『ストーリーが世界を滅ぼす』 東洋経済STORE
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今これを読んでるんだけど、ありとあらゆるものに「物語」は付与されてるんだなあと改めて。

自分は物語が好きで物語の力を信じているタイプのオタクだけど、物語の持つ力の使い方にはそれぞれが気をつけるべきだし、悪用されないよう警戒していく必要もあるんだろうなと思った。怖い。

“私たちは事実に基づいた論証を非常に警戒して聞く。批判的に、疑いながら聞く。論証がもともと信じていたことに反するならなおさらだ。
ところが物語に没入しているときは、知的な防御が緩んでいる。ナラトロジー〔物語論〕を研究しているトム・ヴァン・ラエルらが物語の科学のあらゆる関連研究を分析したすえに述べたように、「ナラティブ・トランスポーテーションは、慎重な評価と議論なしに持続的な説得効果をもたらす心理状態である」。

言い換えれば、優れたストーリーテラーは主張の内容を精査し評価する脳のプロセスを巧みに回避する。理性の吟味を経ずに情報や信念(それも往々にしてきわめて強い)を植え付けることができるのだ。”

春暮 康一 著『法治の獣』
“わたしたちは与えるものも持たずに何かを見つけては、与える代わりに奪っていくんだ。望むものも、望まないものも”
(『方舟は荒野をわたる』より)

この中篇集のテーマを象徴しているように思えてグッと来てしまったやり取りの一部。
『主観者』と『方舟〜』は特に無邪気な好奇心のポジティブな面だけでなくネガティブな面にも向き合わなくてはいけないという真面目さが感じられてとても良かった。
表題作も二転三転(?)ワーッ!てなって面白かった。思想ミーム合戦、考えさせられる部分がある…。

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春暮 康一『法治の獣』を読み始めた。ファーストコンタクトをテーマにしたSF中篇集らしい。
とりあえず一番最初に収録されてる『主観者』だけ読んだんだけど、最近読んだ傑作『プロジェクト・ヘイル・メアリー』の中で個人的にモニャ……!となった部分にエグめに踏み込んでてムチャクチャ面白かった。
終盤「そういうこと!!???おもしれ!!!!????」て声出ちゃった。
SF的な描写のすべてが私には難しいけど、こういうお話って大好きかも。他のも読むのが楽しみ😄

読了:レイモンド・チャンドラー『長いお別れ』

フィリップ・マーロウ、好きか嫌いかと言われれば捻くれててあんまり好きじゃないんだけど、ものすごく魅力的なキャラクターだということは伝わってきた。
ていうか言い回しがイチイチみんな皮肉めいてたり捻くれてるから会話の意味が分からないところが結構あって、かなり雰囲気で読み飛ばしてた。
あとBL小説だと思って読むとマーロウくんの可愛げもわかる。意地張るとこモエ〜!だった。
関係無いと思ってた事件がどんどん繋がってくのはそりゃそうだよなってかんじ。ラストは普通にびっくりしちゃったよ!!!

1953年発行だから70年前の小説なのか〜…。女性キャラクターの扱いにストレス感じるのはまあ仕方ない。
無駄にダラダラしてたりと変な読み心地だったけど、味があって面白かった。

鉄鼠の檻からスタートした妖怪シリーズおさらい読み返しキャンペーン、短編の『墓の火』と『蛇帯』も読んで『鵼の碑』待機モードほぼほぼ100%になった!🙆

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