〈最終章〉①
あれから数週間────
「筑波先生、恨次郎くん。まぁむ…二人の分まで生きるからね。
……あのね、まぁむ。本当は貴方のこと好きだったの」
まぁむは今、二人のお墓の前にいる。
偶然二人のお墓が並んだからこのムーブができたの。
やっと二人にお別れが言えた。
まぁむは前を向いて生きないと。
恋を無くしたまぁむは次の恋を見つけるんだから!
「そろそろ行くよ、まぁむ」
「うん!
まぁむ彦お兄ちゃん!」
まぁむを助けてくれたのは、これまでずっと名前を教えてくれなかったまぁむ彦お兄ちゃんだった。
まぁむ彦お兄ちゃんはまぁむの生き別れのお兄ちゃんだった…だから、今までずっとまぁむのことを心配して傍にいてくれたみたいなの。
二人が樹海から転がり落ちた時、まぁむ彦お兄ちゃんは木の枝に引っかかっていたから酷い怪我は無かった。
けど恨次郎くんは……下にあった岩で頭蓋骨が割れたせいで死んじゃったの。
恨次郎くん……死んだまぁむを手に入れようとしたんだね。
まぁむ彦お兄ちゃんのこと、ライバルだと思っちゃったのかな?
まぁむも正直、まぁむ彦お兄ちゃんのことお兄ちゃんだって知るまでは……ほんとは好き、だったの。
主に身内の企画参加用!