真夜中のラクウォノ(メモ)
いつか短編にしたい。
服や手はべっとりと鮮血にまみれ、目の前で見慣れた青年が息絶えていて、光を失った瞳がこちらを向いている。足元には母国から持ってきた拳銃が落ちている。
頸動脈に触れ、脈動していないことを確認して妙に凪いだ気分でいた。ようやくやり遂げたという達成感とああ失ってしまったという虚無感。
青年の骸から目を逸らし、深く息を吐き出すともう何も発せないはずの彼の声が聞こえた。
「あなたはいつでも、僕の望むことをよく分かっている」
脂汗をかいて飛び起きて、呼吸も整わず酸素も足りないまま隣の男の首に触れれば規則的な脈拍と低めの体温が確かに指を通して伝わって安堵した。ゆっくりと目を開けたラクがどこか憐れむような悲しげな瞳を向けて「それは夢ですよ」と微笑んで首に腕を絡めて抱き寄せられる。しばらくそうしている間に動揺も落ち着いて呼吸も普段通りに戻る。
「だけど殺されるならあなたがいいな」
耳元で静かに呟いたラクの表情は見えない。
妙に嬉しそうな声色であることは確かだった。
Twitter▶0zero_fanfic0 映画二次創作、様々な2人組の間に生まれる激情を愛するshipperかつAroAceの人間です。創作と人生の話をするよ。 主にラクウォノとjwds(左右非固定)