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ひとまず1回目行ってきた!普段の一箱古本市と比べると期間が結構長いので何度も通えるのがいい。優木ごまヲさんの俳句と短歌の作品集を手に入れました。自分が句集作るとしてもこのくらいのサイズ感がいいな。

· · Tootoise · 1 · 0 · 1

二度呼ばれ祖母は今年へ目を開く 優木ごまヲ『椅子』
新年の句だ。現在はつねに「今年」だけど、季語として「今年」というときは新年明けてからの「今年」のこと。年を取るとよく眠るようになりますよね。めでたさの底に生と死が隣り合わせであるということの苦味を感じる。動作の方向が入るはずの文脈に実際の方向ではなく「概念」を置く手法という意味で福田若之さんの「歩き出す仔猫あらゆる知へ向けて」が一瞬頭をよぎったけど、いろんな面で対照的。

不時着のように選ばれ春帽子 優木ごまヲ『椅子』

この「不時着のように」はさまざまな解釈・空想を許してくれる。その帽子を選ぶことが「不時着」のように不本意なものだった、と考えるのが順当だが、春帽子そのものが不時着した飛行物体のような形状をしていたようにも思える。「冬帽子」ではなく「春帽子」であることで、アクシデントをポジティブに捉えるような明るさを感じる。

秋立つやはしたなきパフェ突き崩す 優木ごまヲ『椅子』
これは力一杯ファンタジックな百合として想像しないと下品な方向にいっちゃうので、ロリィタファッションの女の子×襲い受けのパフェです。パフェは襲い受けなのでレースもフリルもべったべたです。かわいい。

夜露死苦とほんとに刺繍するんだね文房具屋のとこで別れる 優木ごまヲ『椅子』
そう、この作品集前半は俳句で後半が短歌なんですよ。短歌を連作として読むと、ヤンキーにはならなかったけど都会のインテリでもない宙ぶらりんな主体が見えて、なんだかひとごとと思えない。

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