「パトリス・ルムンバのために」(上)
ベルギー国王はつい先ごろ(2020年)、かつての植民地コンゴでの恐るべき暴虐行為について、「謝罪」しました。ただし、現在のところ「賠償」は拒否しています。
また2022年ベルギー政府は、コンゴ独立の指導者パトリス・ルムンバの「歯」を遺族に返還し、「道義的責任」を認めました。
何故、コンゴ独立後はじめての首相ルムンバの「歯」がベルギーに保管されていたのか?
コンゴは1960年に独立後、選挙で選出されたパトリス・ルムンバは、米ソのどちらにも与しない「非同盟」路線を追求します。
その「非同盟」の方向が、米国ケネディ政権の「逆鱗」に触れ、ベルギーと共同したCIAのクーデターによりルムンバは失脚、殺害されました。
これがケネディの言う「進歩のための同盟」の華々しい成果、とされたのですから、「民主党リベラル」の「進歩」のほどが窺い知れます。
この後、ケネディ政権はベトナム戦争への本格的介入へと舵を切り、1975年までベトナムは戦争の惨禍に晒され続けました。
そして殺害されたルムンバの遺体はなんと硫酸で溶かされていた。ただし、「歯」だけが残っていたために、実行犯のベルギーの警察官を経由して、首都ブリュッセルに今まで保管されていた。