小池陽慈先生の『できる大人の「要約力」確信をつかむ』(青春出版社)
を読了しました。
読んだ文章を噛み砕いて要約していけば、それは血肉になる。血肉になった情報は、己の中で知のネットワークをつくりだす。それは、世界の諸問題を考えるときの立脚点となってくれる。
このとても大事な観点を伝えるだけでなく、実際にどのように文章を要約すれば良いのか、実例からのテクニックまで伝えてくださる本でした。

「知のネットワーク」を作るということは、奇しくも近年、英語圏で大きく盛り上がっているムーブメントでもあります。Obsidian, Logseq, Notion など、専用のアプリやWEBサービスなどがあふれております。向こうの知的生産者は、極めて高度かつ、自分自身に向けてチューニングされた知のデータベースを、電子的な方法で、今まさにゴリゴリと構築している現状があります。

そんな中で、あきらかに日本語圏はムーブメントに乗り遅れております。それに私は漠然とした危機感を抱いておりました。そもそもムーブメントがあるということすら知られていない。そして、大袈裟に言えば、日本全体の雰囲気が、安易で簡単に得られる知識に偏ってしまっている。「検索すれば/YouTubeで見れば/AIに聞けば、それで良い」

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そんな中で、この本は、一つ大きな安堵を与えてくれるものでした。まさに知のネットワークの構築を、地に足のついた方法で行うことを呼びかけている内容だからです。
そして、それが受験勉強の技術の延長線にあるというのも、とても素敵です。ともすれば、「役に立たないもの」というレッテルを貼られがちな受験のテクニックですが、こうも高らかに実生活へと接続された技能として、発信することができるとは。大きく勇気づけられました。

受験勉強は、学校の勉強は、役に立つのです。わたしも、少しでもそれを伝えなければ。

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