尾上与一『セカンドクライ』
作者と誘えの方の組み合わせだけ見て「とりかえず買おう」と買ってみたわけですが、冒頭読み始めですが今のところ、好きだなーーーーーめちゃくちゃ湿度が高い。
シリアスにしかならないだろう書き出し。救いが見える結末にはおそらく至れるのだろうが、いやどうか? という疑いを抱かざるを得ない程度の不穏さ。
こういうのが読みたくなるときも、あります。
BLの箸休めに別のBL読んでいくスタイル。
尾上与一『セカンドクライ』、読了。
おもしろかったが、受けくんが被虐待児である必要はあったのだろうか。
「被虐待児」の描写として誠実さが足らないわけではない、とは思うけど、キャラ付けのエッセンスでしかなかったようにも感じた。
日常の極端なでこぼこの説得力ではあったけど……
シリアスな話が脱力をもって描かれているのはめちゃくちゃ好みだったけど、まだいけるよ!!!! みたいな感情も大きくて、惜しいような、完全燃焼しきらなかった心地。
作者へのもともとの期待値が高すぎるのは自覚してる。
あと秘書さん好きです。
あとあと攻め→受けの恋はわかるが、受け→攻めの方は今ひとつわからん。
その感情がちゃんと本物であることは、後半すごく伝わるんだけれども。
例えばもし同じ設定でこれを書いたのが木原音瀬や安西リカだったら、どうだったかなぁという想像はしてしまった。エグいに強くコミカルいける木原音瀬さんと、「日常」の描写に特筆すべきところばかりの安西リカさん。
ともあれこれももしまた続編とか出てくれるなら買いたい。
★5と迷って4になってしまった、程度の盤石のおもしろさでした。おもしろかった!
シリアスにしかなりようがなかったはずなのに、シリアスとコメディが同居している。
すごくおもしろい。