デラシネラthe sun 、アルベール・カミュの未完の自伝的小説をモチーフにしているそうで、例によってノー事前勉強で行ってしまったため、ムーブメントがなにを現しているのか明確にはわからない。
シンプルなセットで、人間どうしの動きや目線で表現できることの多さを、無言だからこそいつもより多めに感じた気はする。とくに今回は恐怖について考えさせられた。
舞台上に拳銃とか、マスケットらしきものが幾度か登場する。ときおり暴力の気配や、非常に緊張する瞬間がある。実際の動きとか音とかより、恐怖の気配。その気配こそが恐ろしいなと感じました。上手く言えんけど。
ダンサーの練度は、ほかのコンテンポラリーのカンパニーよりちょっとうーん? ってところが、デラシネラはあるんだけど、むしろ踊りすぎないというか、どこまでがムーブメントなのか? 判別できない感じの良さがとてもある。コンテンポラリーダンスではなくて、抽象的な演劇なんだと思う。