サナギのようになってしまった「渚さん」の物語。比喩たっぷりに繊細に描かれた良漫画(コラムあり)。 

サナギのようになってしまった「渚さん」の物語。比喩たっぷりに繊細に描かれた良漫画(コラムあり)。 『毒母育ちのサナギさんの脱皮』
本山理咲/星和書店
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ここからはわたしの話。 

ここからはわたしの話。高校生のときにそれまであまり語られなかった母の育った環境について母から直接聞いて「母も大変だったんだ」との気づきから、母と「一般的な母像」を切り離し、「ひとりの人」として、ひとりの「aさん」として見れるようになったこと。ある朝、わたしも人も絶対的にあいされていることが頭だけでなく体験として腑に落ちたこと。そんなこんなが基盤となってどんどん傷が癒えていったけれど。

わたしの話つづき。 

たまたま気になった作品を読んでいるとき思いがけず「こんな傷がまだあったのか!」というわたしのなかの開いた傷との出会いがあった。主人公と母と義母の描写をとおしてわたしの眠っていた傷が開いたみたいだった。たくさん涙を出して傷は閉じた。その流れで『サナギさん』を読んだのが一昨年のこと。母のこと親のことで深手を負っているたいせつなひとたちにこの作品を知らせたいけれど、ヘビーな内容も含むからなんと紹介したらよいかなあと思っていて、今日やっと紹介する。
いまも「母はなぜこういう振る舞いをするんだっけ…」と首をかしげることは多い。サナギからひとりの人になっていった「渚さん」のように母がひとりの人として自由になった姿を見てみたい。わたしも母も変わりつづける。

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「(身体的に)たくさん涙を出して(心の)傷は閉じた。」を東洋医学の視点で見ると、「水出し」「水毒の解毒」にあたると思う。からだと心のつながり。

痛みがあるところにみずからが気づいて「目を向けて」「手をあてる」のくりかえし。

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