「「機能的」ということしか考えず、家中の部屋を、どこもかしこも刑務所のように寒々と清潔で手間のかからないものにしたがる人がいる。家というのは生活の場なのだから、部屋に応じていろいろ変えなくてはいけないのに、そういうことを考えない。台所には能率、寝室にはぬくもりが必要だとすれば、居間には暖かな雰囲気が必要なのであって、そのためにはイギリスの場合、年に七か月くらいはふんだんに石炭を焚く必要があるのだが。」(ジョージ・オーウェル「暖炉の火」)

「わたしが知っている国々でも、盲人や外国人が道を聞いた場合、イギリス以上に親切にしてもらえる国、あるいは夜危険な場所がこれほどすくない国、また歩道からつきとばされたり、バスや列車のなかで席を奪われたりすることがすくない国は、他にはなさそうなのである。いまのように列車が混んでいるときでさえ、座席にオーヴァーコートを置いて席をたってから十分後にもどってきてみても、席はちゃんと空いているのだ。すでに通路まで一杯になっていても、他の乗客は、先にすわった者の権利を尊重するのである。列をつくる習慣にいたっては、過去五年か十年のあいだに、心理学者が条件反射と呼ぶものになってしまった。イギリス人を十二人あつめれば、ほとんど本能的に列をつくってしまうのである。」(ジョージ・オーウェル「不作法」)

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なんだか日本人について言われるような話だ。戦争直後のイギリスでもそうなのか

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