『オズの魔法使い』(1939, ビクター・フレミング)
米アカデミー賞第一回視覚効果賞ノミネート作を見る5作目。
何度か見ているけど、この映画でファンタジー・御伽噺的な感覚がピークに達するのは、羽の生えた猿たちが魔女の命令のもと空を飛び襲い掛かりドロシーと犬のトトを抱えて飛び去っていく瞬間じゃないかなと見る度に思う。ワイヤーアクションなんだろうけど、あのスムースで素早い飛び去り方あっけに取られて見入るしかない。
でも、視覚効果賞っていう観点で見直してみると、視覚効果的なピークは最初の方の竜巻のシーンかも、と思った。あの竜巻、どうやって撮影したんだろうか?
セピア色のカンザスの農場のシーンは、巨大な屋内スタジオにセットを作って、壁に背景(=空)の絵を描いているんだろうけど、それが外の世界の存在しないような閉じた御伽噺空間の感じを作り出しているのだけど、その世界の端から巨大な竜巻が迫ってくるあの感じ。CGI以前の映画の、どうやって撮ったのか想像がつかない、っていう衝撃がある。
特撮じゃない部分だけど、カカシの登場場面で、カカシが自分はscarecrowなのにカラスを怖がらせることができない、って言うとカラスが飛んできて肩に止まり、カカシの藁をくわえて飛んでいってしまう。カラスに芸を仕込んでる!
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