松村・中川・石井 編『文化人類学の思考法』
・かなり突っ込みどころが多いのだが、入門書は突っ込みどころが多くてなんぼというか、突っ込めずに納得するだけの入門書は底が浅いので、その点は悪くない。
・他の学問の体系を批判しているのは藁人形論法な気もするが、それは文化人類学の指摘を取り込んだ今の知見が常識になっているからなのだろうか(であればそれは正当に文化人類学の貢献である)。
・各論であるが、貨幣の起源を解き明かすことがそれ自体として研究のテーマになるのはもちろんであるが、起源の話とは独立して今果たしている役割を論ずることだってできるし重要であるのだから、起源を捉え損ねているからといって即その理論が意味のないということはない。
・そしてこれは個人の感性に尽きるのだが、合理性は大切にしたいし、何かを評価するにあたって合理性が一つの大きな道標になると考えているので、そう簡単には捨てるべきでないと思う。
ついでに、🐦の方に上げた簡単な思考実験を載せる。
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色々書いていたら思い出した。現代思想を知的遊戯に陥って現実から乖離していったという話が出てきたのだが、権力関係なり何なりの込み入った実態を解明するためにはちゃんとした理論武装をしないと足元をすくわれるのであるから、理論的に極めることには意味がある。