『21世紀の歴史』
ジャック・アタリ著、林昌宏訳、作品社 2008年8月発行
20年近く前に出た、21世紀の歴史を予測する本。結構前に買って未読だった。
"ヨーロッパ最高の知性"などと言われるアタリなので多少期待してたのだけど、正直言って「なんだこりゃ」のレベル。エマニュエル・トッドといい、かの国ではこういう人が知性と見なされてるのか。まあ、本邦でも出〇〇〇氏とか佐〇〇氏とか〇〇樹氏がそう言われているので似たようなものなのかもしれない。
議論は粗雑だし、明らかな嘘も書いてある。例えば「ブッダはヒンズー教という古い教義が支配する地域での布教に捧げた」とあるけど、ヒンズー教が出てきたのは仏教の100年も後なのは高校生でも知っていること(バラモン教と勘違い?)。注釈くらい入れないと不親切では。ただ、世界史の資料を調べたりAIと戯れて検証しながら読んでいくのは楽しかった。
「21世紀の予言の書か、それとも妄言の書か」と言われると、後者だろうなと思う。