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赤城毅 著『書物狩人』読了。
政府や大企業の依頼を受けて、合法非合法を問わずどんな手を使ってでも、秘密をはらんだ本を入手してくるという書物狩人ル・シャスール。そのどこまでもスマートな手腕に敬服した。
ジャンルは歴史ミステリー。
おびただしい書物がこの世にはあり、その中の一冊が国家の命運を握ってどこかに眠っているかもしれないなんて、本好きの好奇心をとことんくすぐる。庶民の与り知らぬ歴史の裏舞台を覗いているようなワクワクがあった。
記録や書物は政治や権力にとって重要な意味を持つからこそ、この物語は現実味を帯びている。史実に対して著者が加えた1つのアイディアが、様々な国や人を巻き込んで有無を言わさず当事者にしてしまう。
現実にこの書物狩人のような人物はいるのではないかと思えてくるのが面白い。稀覯本は存在するのだし。

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