先日、観た「帰らない日曜日」の映画が好きだったので原作も読んでみた。
グレアム・スウィフト著『マザリング・サンデー』
かなり小説とは違ったように感じた。
逆に映画ってこういう風に作るのか、とも思った。
1924年春、メイドの里帰りの日、その1日を今は作家となったジェーンが振り返る。
イギリスの春の光の描写がとても美しい。
孤児だったジェーンは帰る家はないが、ポールとの忘れられない時間を共有する。
身分違いの忍ぶ恋、情事。しかも結婚も決まっているポール。
「さよなら、ジェーン」その言葉が永遠の別れになってしまう。
後半は作家として、成長していく。コンラッドに影響を受けた。特に『青春』(ユース)
…1924年、青春こそー無数の青年がなぎ倒されたのだー20cが失ったものだ。
なかなかに深い小説でした。