先日読了した天沢退二郎『オレンジ党 最後の歌』と、先日から続いている千葉県房総半島沖のスロースリップ地震と目される地震活動の照応に驚いている。

「三百年前のBS沖大地震」とは、1677年11月4日(延宝5年10月9日)の延宝房総沖地震のことと思われる。物語の時点は、オレンジ党シリーズ第1巻『オレンジ党と黒い釜』の刊行年前後とすると1978年だ。
ja.wikipedia.org/wiki/延宝房総沖地震

房総半島沖の過去のスロースリップ。“1677年に起こった延宝房総地震があります。震源は不明確ですが房総半島沖と考えられます。地震の規模はM8−8.5と幅がありますが、地震による被害がほとんどなかったのに、大津波で甚大な被害があったことです” weathernews.jp/s/topics/201806

天沢さんは2007年の房総沖のスロースリップによる地震を物語に組み込んだのではないか? data.jma.go.jp/choshi/shosai/d

2011年9月11日の日付が打たれたあとがきの追記には、2008年1月の脱稿後、挿絵を描かれている奥様が体調を崩されたために作業が中断し、3年半後に出版となったが、その間に起きた東日本大震災と原発事故について「偶然とは全く思えない衝撃であった」と書かれている。

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『オレンジ党 最後の歌』の読了直後は、これはどういうことだろうと戸惑い、受け止めかねていたのだけど、だんだん天沢さんが書きたかったことが分かってきたかもしれない。なぜこのような終わりでなければならなかったかや、〈九十九谷〉という場所が象徴するものについて。

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