なんとか読書人の年間回顧の原稿が終わり、年内の仕事は(年始の公演関連を除けば)B&Bの『ユリイカ』長谷川白紙特集号観光記念トークのみに……!
『週刊読書人』が出版に関わる人などに読まれていることからトランス差別に反対する書き手がまだ撤退するべきでないと考えていること、『埋没した世界』などの書評もまた載せてきたこと、トランス差別に反対する編集者もまた社内にいると聞いていること……などから今年も寄稿しましたが、8月18日号の巻頭特集への抗議として書くことを明記して書き始めるのはどうしても胆力がいりました。
今年は取り上げたい本がとても多くて、しかし抗議も書かねばならないし、文章全体のまとまりも持たせたいので列挙はしない、となると載せられなかった本の方が多かったくらいで紙幅の少なさが本当に恨めしかったです……。
ジェンダー・セクシュアリティ関連書籍で取り上げたいものが紙幅を大きく上回ってしまうのは、年間回顧の各項目に本来的にはまたがっていて、そこでも取り上げられるべきところを取り上げられる見込みがあまりないために、ジェンダー・セクシュアリティという「隔離された項目」が担当することになってしまう、というのはある気がしています。
とはいえ、見本として渡された2021年の年間回顧で、ジェンダーの欄で取り上げられないことを見越して(2021年までの担当者は千田氏)なのか、アメリカ文学の欄でバトラーの『問題=物質となる身体』が取り上げられていたこと(これは非常に印象的でした)もあり、一概には言えないのですが……。