ちび6きっと6のお月見
「月が綺麗だね」
つい呟いたら、肩にいたちびロックマンが聞いたことない声をあげて後ずさり、肩から落ちかけた。
「わかってると思うけど、おかしな意味はないから。誤解うける言い方したのはごめんね」
「ぽ、ぽっ……」
「この国で今夜は月が綺麗な夜なんだよ」
ほらっと夜空を指すと、黄金に輝く丸い月。「ね?」と聞くと、こくりと頷いた。するとリュックを背負った子供が三人、家の前で楽しげにしている。何かが置いてあって、盛り上がっているのはそれがあるからのようだ。
子供達が笑い声を残して去っていくと、気になったので寄っていった。
「……お菓子だね。あぁ、お月見どろぼうか」
「ぽ!?」
「本当の泥棒じゃなくて、こうして用意されたお菓子を持っていくんだよ。……子供がね」
例のアレを頭につけて箱に入ったお菓子を取ろうとしたちびロックマンだったが『子供』という言葉に手が引っこんだ。
「今日はお店で袋いっぱいお菓子を買って帰る?」
「ぽるぽる」
ちびロックマンは買い物袋を取り出し、こくこくと頷いた。
スーパーに行くとお客さんからパートさんに大人気の二人は袋三つのお菓子を貰って帰るのだった。