兵勢社『征論』読んだ。こういう複数テーマで複数人が書くやつはいろんな見方があったり予想外のことを知れたりするが、テーマの多様性度合いが凄すぎる。
「ウクライナでの戦争 ─視点・論点の整理─」はタイトル通り戦争の記述よりも戦争に対してどのような論じられ方があるかという整理だった。出典の偏りという弱点はあるにせよこうした整理は現在進行形で起こる不確かな情報に溢れたイベントでは重要と言えそう。
「ウクライナのユニコーン ─Gitlab─」はウクライナのユニコーン企業の紹介。転職してえ〜となったがスキルがない。
「Lorraine戦役とその忘れられた論争について」これは議論が予想外の方向に進んでいき大変良かった。正反対の評価を下した論者たちの背景に焦点当てて戦史研究の一種の政治的利用を浮かび上がらせていくのがすごい。こういうのがきっかけになって戦役自体が思い起こされると良い。
「クストリッツァ映画作品レビュー集」一読してアンダーグラウンドの監督がマラドーナのドキュメンタリー撮ってたことにかなり驚いた。かなり詳細なレビューで映画見なくても知ったような気になれてしまいそう。黒猫・白猫が気になる。
世相を反映したのか、直球の戦史というより戦史の語られ方にフォーカスしたものが多い印象を受けた。
#A3感想録