ネットに簡単なインタビュー記事があったので見たのだけど、案の定「集団心理」に特化した感じで中には「加害者を悪として描きたくなかった」というものもあり、賛同できない部分が多かった。
安田菜津紀氏も指摘していやけど、虐殺が起こった背景には集団心理もあるだろうけど、朝鮮人に対する差別意識や恐怖心があったから起こったのだという視点が欠けているように思う。集団心理にばかり着目すると、朝鮮人に対する差別意識があったからこそ虐殺にまで到ってしまったという点の矮小化に繋がってしまうのではないかというという懸念がある。実際、虐殺を「どこの国でも起こる普遍的な現象」と捉えている人が多いので、その"効果"が現れてしまっている。
森達也氏は「安易に悪と断罪すること」を恐れるあまり相対主義ありき過ぎるというのもあるし、「正義」批判が多すぎるので正直頂けない部分のほうが多い。正義を疑うことや集団心理の恐ろしさに着目することは重要だが、氏はそれがあまりに行き過ぎている。