ざっくりしたお話。
(1) 「処理水はほぼ安全」と「合意なき処理水放出に反対」は両立する
東京電力のデータを信じるなら「福島第1原発からのALPS処理水は、ほぼ安全」です。(ただし東京電力のデータに欠陥があると考える人もいます)
一方で「議論がある廃棄物(ALPS処理水)を国際合意なしに海洋に流すな」という主張は正当です。
この二つの話は両立します。
(2) ALPS処理水海洋放出の正当性には疑義がある
日本政府は、放出の正当性の根拠を「IAEAが安全性を認めたこと」としています。
しかし、IAEAは放出の正当性の判断を日本政府に委ねています。
責任の所在が宙に浮いています。
(3) 各国の支持について
「ほぼ安全」と考えたからといって、議論がある廃棄物の放出を合意なしに始めることは、国際社会に対する信義を失う行為です。
G7諸国は根回しにより処理水放出を支持してくれました。ただしG7の中でもドイツ環境相は今も反対しています。そして太平洋諸国は一貫して反対しています。大きな問題は、日本が核廃棄物を海洋に捨てたなら、他の国も同様に捨て始める可能性があることです。
今からでも処理水放出を中止し、よりベターな選択肢に切り替えるべきです。