「分からない」ということに持ち堪える能力を、ネガティヴ・ケイパビリティと言って、精神分析家にとってはとても大切な能力であると言ったのはビオン。
パラノイアの人は、「わかった」「わかっている」思考で、世界や他者が「お見通し」になってしまうので、基本的に分からなさに悩む必要がなくなる。彼らが悩むのは、「自分にとってはお見通しの悪にどう対処するか」。「何でだろう?何があるんだろう?」のところには踏みとどまらない。
コロナやコロナ後遺症については、いまだに分からないこともたくさんあるし、自分がなったとしても、先のことはどうなるか分からない訳だけど、彼らはそれに耐えられないので、何かの陰謀だったり、ワクチンを受けなければ大丈夫であったりという、明快な世界の話にしようとする。