店の棚から米を消える、あるいは価格が急騰(3割前後)していることが話題になっている。
かつて、宏池会の創始者池田勇人は「貧乏人は麦を食え」と言って物議をかもしたことがあった。
この所の円安による小麦価格の高騰から、これからは「貧乏人は米を食え」の時代か、と言われたりもしたが、どうも米も食べられない時代に突入しつつあるようだ。
ただし、今回のコメ不足は、政府による減産押し付けが原因。この30年で60万トンも減らしている。
他方、需要の方は政府の予想とは反対にV字型に上昇。現在40万トンあまり不足している。
このコメ需要上昇は、他の食料品が円安で高騰しているため、と見られる。
日経などは近い将来、「根菜類で」などと言っているが、これではまるでWWII末期の状態ではないか?日本農業がこのまま解体されると、ホウレンソウをはじめとする多くの野菜も近々消滅すると言われている。
政府の役割の一つは市民の安全保障。使わないミサイルや装甲車に湯水のようにカネをつぎこむより、食糧安全保障の見通しを示すべきではないか?
予想通り小沢が野田支持を表明したらしい。つまり小沢も維新との「共闘」を選んだ、ということ。
ところで提灯学者の山口二郎は「中道保守の結集」などと痴れ言を宣っていたが、維新は紛れもない極右。
大阪・神戸の人なら良く知っていると思うが、「維新」は基本自民党の2世・3世を中心にした「ギャング集団」である。「ヤンキー」などというかわいいものではない。
「ギャング」は法の抜け穴をよく知っているだけにたちが悪い。現在の兵庫県知事(維新)も、常識的にはとっくに辞任している筈だが、法の強制力がないことを利用して居座り続けてている。これを援護射撃しているのが、ZEN大学副学長予定の上山信一である。
兵庫では県知事の「パワハラ」で少なくとも2人が自殺に追い込まれたが、大阪では現在までに10人近くが「イジメ殺された」と見られている。
この極右「ギャング」集団と国政レベルで共闘などととは、仮に立憲が「リベラル」ならあり得ないこと。結局立憲多数派の「メッキ」が剥がれて地金が出てきたということだろう。
しかし自民党も宏池会的リベラルは圧倒少数とあっては、どうも日本の代議制システムそのものが機能不全と言う他ない。
本来それを批判するべきメディアが朝日を筆頭にそれに加担しているだから、世も末感漂う。
「サラリーマンは寝て稼げ」という広告は、1年くらい前から電車内で見るようになって「あほらし」と思っていた。
しかし、学生達から「今は不労所得はいい意味で使うのですよ」と言われて、半信半疑で調べて見ると、確かにAMAZONで「不労所得のすすめ」とか「不労所得であなたも億万長者に」とかいう怪しい本がやたら並んでいる。いやはや。
今はやりの「レント資本主義」の日本における実態、というとこか。
しかし、「不労所得」で人生を全うすること、これは可能でもなければ望ましくもない。(金融資産5億以上あれば可能かもだが)。
「不労所得」を規範として共有してしまった社会は、近々崩壊することも間違いない。
他方、これはハイポリテックスの文脈では、日銀が株式・国債から撤退する分を家計貯蓄で埋め合わせようということ。
日本の家計貯蓄は総額で2千兆円。これは高度経済成長の遺産でかなりの額。これを担保にして東証株価の調整を行おうという腹だろう。しかし、現在乱高下する投機市場ではあっという間に雲散霧消する可能性も捨てきれない。
また世界システム論的に言えばレント資本主義が可能なのは、英国・米国などの覇権国家だけ。軍事力、国際基軸通貨特権、国際機関の支配、ゲームメーカー、英語。日本は全て欠けている。
性的欲望に関しては、プロテスタントが妻帯、カトリックが独身とされているので、逆だと思われがちです。
しかし12世紀以降のカトリック高位聖職者は愛人(しかも複数)をもっているのが普通でした。
かのマキャヴェリが「君主論」を進呈したチェーザレ・ボルジアはロドリーゴ・ボルジア=アセクサンドル6世(トリデシャス条約で有名でしょうか)の次男、最初、枢機卿、ついで還俗して教皇軍司令官。ロドリーゴはチェーザレの母以外にも少なくとも二人の「正規」の愛人をもち、その内の一人はローマ貴族の家柄のジュリア・ファルネーゼでした。
そしてこのジュリアの兄がパウルス3世として孫を枢機卿に任命する有り様でした。こうした縁故主義を「ネポティズム」と呼びます。
同時にパウルス3世は1545年にトリエントに公会議を開き、カトリック側の綱紀粛正とは反「宗教改革」運動を開始。イエズス会を認可。
とは言え、高位聖職者の行状はそう簡単に改まらない。ナポレオン体制で、外務大臣を務めたタレーランは革命前オータンの大司教を務めていたが、その頃から浮名を流していた。
これは教会の高位聖職者が結局大貴族の子弟出身者で占められたことによる。
これに対し、下級聖職者(フーシェ、シェイエス)は弁護士とともにフランス革命を推進する中心となる。
「朝日」に「質問!ドラえもん」というコーナーに28日、下の文章が掲載されている。
「白票(はくひょう)
投票(とうひょう)をしない棄権(きけん)と違(ちが)って、投票(とうひょう)に行(い)ったうえで白紙(はくし)のまま投票(とうひょう)する。無効(むこう)にはなるけど、白票(はくひょう)で政治(せいじ)への不満(ふまん)を示(しめ)すこともあるんだ。」
どうも朝日を含めた権力側、なりふり構わず、しゃにむに自民と立憲・維新連合の二択しかない、というメッセージを刷り込みにかかっているようだ。
要するに、立憲・維新連合(野田路線)に「不満」がある人達は、共産に投票するな、ということ。
確かに小選挙区では共産当選の可能性は低いが、政権批判票が万が一にも比例で共産に集中しないように、という配慮だろう。
自民の得票数自体は減り続けているため、森喜朗が「有権者は家で寝ていてほしい」とありていに発言したのと同じ発想である。
同じ発想と言えば東浩紀が「積極的棄権運動」なるものを提起し、千葉雅也もこれを援護射撃していることがあった。
こうなると、残る選択肢はリベラルが離党して、左派との同盟を選択するしかない。これは「希望の党」騒動と同じ構図。とは言え、自ら動ける可能性はかなり低いだろう。
ここでも繰り返し批判している山口二郎氏が「立憲民主党の代表選挙について、リベラル派市民が野田さんを嫌悪する事情も分かるけど、今の日本でリベラル派は少数でしかないことを理解すべき。そのうえで、政権交代を起こすために中道保守と提携するか、尖ったことを言い続けるリベラルでいたいかを選択すべき」と言っている。
これぞ「ザ・エキセン」という所だろう。その意味ではご本人「尖ってはいる」。
そもそも山口二郎は小選挙区制の「改革派」論客として旗を振ったわけだから、そもそも公論で説教できる、ということがおかしい。
それはそれとして、現在の東大・京大の政治学者は頭から「左派」を排除して思考するように訓練されているから、「リベラルは少数」という安直な結論に到達する。
実際、現在政治学で「左派」と見られるとまず大学のポストはない。
しかし、現実の政治では人口の大多数がこの30年で生活水準が大幅に低下。現在、物価上昇でついに限界に直面し、漠然としてであはあれ「世直し」願望は渦巻いている。
であるから、大企業と富裕層に負担を求める「リベラル左派」を結集できれば、むしろ「多数」になる。
これをさせまいとして永田町、マスコミ、提灯学者、メディア文化人が、何が何でもリベラルと左派を分断せんと言う所だろう。
日本の高校教科書などでは長くカトリック=旧教、プロテスタント=新教、と記述され、また有名なヴェーバーの「プロ倫」などもあり、後者の方が「進歩的」なイメージがあるが、事はそう単純ではない。
例えば女性の地位は、カトリックよりもプロテスタント、特にカルヴァン派は低い。
これは性的欲望についてカルヴァン派がカトリックよりも「抑圧的」であり、男の視点から女性を悪魔化する傾向が生まれることに拠る。
近世における「魔女狩り」が多発した地域は、南仏、ドイツ、スイス、スウェーデン、スコットランド、全てルター派ないしカルヴァン派。カトリックはスペインを中心に「異端審問」を多用したが、「魔女狩り」は少ない。
米国でもピューリタンが建国したマサチューセッツで「セイラムの魔女」で有名な魔女狩りが1692年に発生。
またカルヴァン派が強いスイスでは女性参政権が1970年代まで認められなかった。
また国家・家父長への服従という点でも、ルター派及びカルヴァン派の方がカトリックよりも強い。
中絶がプロテスタント圏で先に合法化されたのは、単に脱宗教化が進行したため。
現在南北両アメリカでは、福音原理主義(プロテスタント)が極の大衆的基盤となっている。この辺りはなかなか複雑である。
BT
Netflixにある「ブラジル 消えゆく民主主義」というドキュメンタリ。
ルーラ大統領ら、ブラジルの民主化のためにずっと闘ってきた民主派に「”腐敗疑惑”がある」、
と富裕層(政治的には極右)がマスメディア・SNSへの影響力を用いて扇動。
自分たちの既得権益がおびやかされることを恐れたためです。
彼ら極右と協力関係にある司法権力によって、ルーラらが「犯罪者」に仕立て上げられていく様子を描いています。
(この作品、題名が地味すぎて、おもしろいかどうかわかりにくいですが、勉強になるしおもしろいので、おすすめです)。
・「ブラジル 消えゆく民主主義」
https://www.netflix.com/jp/title/80190535
ルーラが捕まっていたあいだ、政権をとっていたのが、極右のボルソナロ。
ボルソナロによって、富裕層のための政治が行われ、先住民が住むアマゾン流域の環境破壊もどんどんすすみました。
結局、犯罪などしていなかったうえ、市民からの強い支持があるルーラは、釈放されて2022年の大統領選に再び出馬、当選。
敗れたボルソナロは、議会襲撃をしたトランプ派同様の悪あがきをしました。
こういう一連の経緯からみても、ルーラ政権が悪質なSNSに対して、断固とした姿勢を示すのは当然のことですよね。
https://x.com/o_omae/status/1829686863705084063
Xユーザー:大前 治(弁護士) さん
@o_omae
<
今でこそ兵庫県の斎藤知事のパワハラは批判的に報道されているが、大阪にも、職員に「嫌なら辞めろ」と言ったり、「クソ教育委員会」と叫んだ元知事がいた。その知事のもとで1年2カ月間に7人の職員が自殺した。それを批判しなかった在阪メディア各社には大きな責任があると思う。
>
ブラジル連邦最高裁は30日、イーロン・マスクのXのサービスの即時停止を命令。
これは北のトランプと同様、キリスト教福音派を支持基盤とする極右ボルソナロ政権が選挙での敗北した折、議会や最高裁を襲撃する事件が発生したことを発端とする。
この際、Xでは、襲撃を支持する極右アカウントが続出。ブラジル最高裁は、これらのアカウントを削除するように求めたが、マスクはこれを拒否。
ついに今度の決定に至りました。
マスクはこれに対し、「ゲンロンの自由」、「ブラジルで一番の真実の源が閉鎖される」と主張。
どうも「ネトウヨ」は世界中どこででも同じことを言うようである。
それにしても、この調子では、米大統領選の結果次第では本家の米国でも、Xの行く末は「危うい」かも。
どうも2010年辺りから猖獗を極めていたX言説も、「黄昏」を迎えつつあるのかもしれない。
ただ、権力による情報操作は、Xが消滅しても、TV、新聞、それにYou Tubeなどなどで、依然として健在であること、これが大きな問題である。
今週巷で話題になった星野智幸氏の文章、内容自体は「問題外 out of question」の外、むしろ、政局に利用しようとする思惑だろう、と推測した。
どうもこの「推測」、当たっていた模様。
というのも、星野氏は2年前にブログで「政治について」という文章を掲載しており、そこで「共産との同盟」という「毒饅頭」を選択した「立憲民主」に愛想が尽きた、とすでに堂々と書いているからだ。
ここで星野氏は「アベノミクス」を「真っ当なマクロ経済政策」と評価し、民主党はこれを上回る政策を打ち出すべき、としている。要するに、例の「バラマキ・キャンペーン」の一味だった訳だ。
さらに星野氏は共産との同盟を「ジリ貧の左派政党同士で組むこと」と罵倒し、安倍政権が無党派中道の受け皿になった、と無茶苦茶なことを言っている。
ところで、今立憲民主は総裁選真っ最中。野田は維新・国民民主との共闘を主張。これに消極的な枝野に対して圧倒的な優位に立つ。
ただ、東京を中心として共産票がなければ当選がおぼつかない議員も一定数いる。
そこで維新広報紙の「朝日」がダメ押し効果として、一面全部使って「正義に依存する」云々を掲載したのだろう。
しかし津田大介といい、いざとなると共産排除を唱える「リベラル」が必ず滑り込んでくるのは興味深い。
無罪判決が確定した男性が国に対し、捜査時に採取された指紋やDNA型などを警察庁のデータベースから抹消することなどを求めた訴訟の控訴審判決が30日、名古屋高裁であった。長谷川恭弘裁判長はデータの抹消を命じた1審・名古屋地裁判決を支持し、国側の控訴を棄却した。また、原告が求めていた国や愛知県の賠償責任を棄却した1審判決を支持する一方、暴行を受けたと虚偽の証言をしたとして、建設会社の従業員と会社に計220万円の損害賠償を命じた。
無罪男性のDNA抹消請求、国側の控訴棄却 名古屋高裁、1審を支持 | 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20240829/k00/00m/040/382000c
BT
「無罪男性のDNA抹消請求」、1審に続いて原告側の主張が認められたみたいで、よかったです。
これ、「マンション建設に反対していた人へのいやがらせ逮捕」という性格がある事件で、
https://nagoya-kyodo.com/info/kokubaikansikamerakouennkai/
冤罪であることがはっきりしたのに、国側が指紋やDNAのデータを消さないという、すごく問題がある話だったので、「DNA抹消」が認められてホッとしました。
もし、こういうふうに「被疑事実あやしいけど、とりあえず逮捕してデータ取る」「容疑が晴れたけど警察はデータ持ったまま」が当然のこととして横行したら怖いですよね。
そうならなくて本当によかった・・・。
来年度の予算概算要求が公表。軍事費は、8兆5389億円。これは11年連続で過去最高を更新、ついに文教費の2倍に達しました。
しかも、その内容はと言えば「敵基地攻撃能力の強化」として極超音速誘導弾の開発に3161億円、「衛星コンステレーション」(宇宙戦争用)に、3232億円、小型攻撃用ドローンに30億円、と憲法はおろか、完全にかつての政府見解の「専守防衛」はかなぐり捨てられている。
その上、米軍再編に伴う経費は金額を示さない「事項要求」としており、総額はさらに膨らむ。
これで、年金・社会保障は削減ありき、大学には税金を突きこんでゴールドマンサックスに投機を運用させる、というのだから、市民の「生活安全保障」は崩壊の一途である。
消費税増税は政治的に当面不可能だが、社会保険料負担や高齢者医療負担は増え続けているのだからたまらない。
この上、物価上昇、賃金は上がらない、預金金利ゼロと来て、ついにNISAをきっかけに家計の貯蓄から投資へと流れが始まったのだろう。
実際、2000年くらいから頻りに「貯蓄から投資へ」の掛け声はあったのだが、長く「笛吹けど踊らず」。
政府・銀行、マスコミの大広告キャンペーンでついに決壊した、というところか。
哲学・思想史・批判理論/国際関係史
著書
『世界史の中の戦後思想ー自由主義・民主主義・社会主義』(地平社)2024年
『ファシズムと冷戦のはざまで 戦後思想の胎動と形成 1930-1960』(東京大学出版会)2019年
『知識人と社会 J=P.サルトルの政治と実存』岩波書店(2000年)
編著『近代世界システムと新自由主義グローバリズム 資本主義は持続可能か?』(作品社)2014年
編著『移動と革命 ディアスポラたちの世界史』(論創社)2012年
論文「戦争と奴隷制のサピエンス史」(2022年)『世界』10月号
「戦後思想の胎動と誕生1930-1948」(2022年)『世界』11月号
翻訳F.ジェイムソン『サルトルー回帰する唯物論』(論創社)1999年