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議員たちの言ってることが正しいとは思えないこともしばしばあるのだが、それに対する石丸市長がまるで小学生のような対応をするのが強い印象として画面から伝わってくる。この人は人間を知らないんじゃないだろうか。それでは話がどこにも進まないだろうというような発言を石丸市長は平気な顔で、いやむしろ得意気に連発する。
こういう人は政治の場に前近代村落共同体的なウェットな人間関係を持ち込むのかとイキリ立つかもしれないが、そういう陳腐な対立軸に巻き込みそうな教養のなさが彼にはある。全ての個人をrespect して付き合うという近代の最も基本的な合意事項が彼の頭の中にはないのだろう。それがないと議論の場は、あっという間に憎悪の渦巻く場になってしまう。
それでも彼には一定の人気がある。その理由はまさに上に書いたことにあると思う。日本という社会は、局所的例外をのぞいて、いまだに前近代村落共同体的な人間関係で埋め尽くされていると思う。その極端な例が自民党であるだろう。
自民党のような前近代村落共同体的政治にはうんざりだし、その拡大庶民バージョンである日本社会にもほとほと嫌気がさしているという人は石丸伸二に光を見出しているかもしれない。
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ウクライナ戦争をきっかけに、国際政治に関してまったくなんの知識もないインフルエンサーや、芸人や、三流学者や、マスコミ社畜や、その他様々な乞食が一斉にメディアに出てきて討論という名の壮絶な知ったかぶり合戦を展開し始めたのをYouTubeで見ることになったが、そこに田母神俊雄という人が時々出ているのを見て、この人の人気の理由がなんとなく分かったような気がした。
まず、この人は天然なのだ。狡猾な知恵者ではない。思ったことをそのまま言っている。こういう討論という名の茶番の参加者とは実に対照的だ。だから、田母神という人は絶対に政治家になれないだろうと思う。
田母神は自民党を不甲斐ないと思っている。自民党は伝統的に嘘をつき、国民を欺き、はぐらかし、ごまかし、隠し、おまけに強い者(米国)には何も言えない。田母神俊雄はなんでも思ったことをぺらぺらと喋り、米国の奴隷である立場をよく思っていない。田母神の人気の根源はおそらくそこだろうと思う。
石丸伸二:
石丸伸二という人の動画もYouTubeでしょっちゅう上がってくるので10本くらい見たと思う。安芸高田市の市議会議員とのやりとりがほとんどだけど、議員と石丸市長との関係性が終わっていることが全面に出てくる。
日米英の教育機関で放蕩した。P2からD1まで国連で26年働いた。仕事のほとんどは戦場だった。難民保護、人道支援、平和維持活動、対テロ対策、平和安全保障センター長、ブロックチェーン顧問などの仕事を経て、 2019年国連を退職した。大阪大学大学院招聘教授。著書『カブールノート』幻冬舎2001年。
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