「まあ！チャーシューが数枚増えてこんな値段！？」
母は私に言い放った

あれは私がまだ小学生くらいの頃の出来事だった
私の両親は大変な倹約家であった

ある年、たまの贅沢「今年は北海道に行くわよ！」
随分と奮発したもんだ

新千歳空港からレンタカーで札幌へ！宗谷岬へ！網走監獄へ！硫黄のなんかアレへ！
随分と無茶な旅行プランである

網走監獄の観光を終え、そろそろ飯の時間
北海道と言えば味噌ラーメン
昼飯の店は特に決めていなかったが硫黄のなんかアレに向かう途中偶然通りがかったラーメン屋で昼食をとる事となった

肉の気分だったワイはチャーシュー面を選択
普通のラーメンより数百円高い

いざ着丼！
これが北海道の味噌ラーメン！
何だろう、味噌風味は消し飛び、くたくたに煮た野菜はまるで出来の悪い鍋料理だった

しかし本場北海道の味噌ラーメン！
決して不味くはない…そうに違いない…チャーシューちょっと固いけど…
しかしこの味は前日の鍋の残りそのものであった

「まあ！チャーシューが数枚増えてこんな値段！？」

俺が肉を食べたくて選んだのになんてことを言うんだ！
私は内心腹立たしかった

しかしラーメンのクオリティはお世辞にも高いとは言えず、母も味に不満があったのだろう

旅は一期一とはい