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ドゥブラヴカ・ウグレシッチ『きつね』読みました(愚かなきつねのようにぴょんぴょん飛ぶ羽目になりましたが大丈夫まだ私は小説が読める…最初の狐は外界に面した土地神戸だし…)。フロントに出てくる語り手はシャープな中高年の女性、語り手が各国を回る仕事の境遇や腰痛をぼやきながら文章の中へ連れてくるのは老年期に到達して智略と偶然により名を残すと同時に狐のように自らを雲隠れさせた女性達、彼女たちのまなざしの中の幼い女の子と年若い女性達。と、女のひとが本の中にいっぱいで楽しい。そして変容する文学的伝統の擁護に立ちながら開かれた「女性作家」…という少し苦い作家象が残ります(なんで苦いか、“私は海からやってきた金毘羅だった”と書いた作家の読者だった)

前後に読んでいた『ストローブ=ユイレ──シネマの絶対に向けて』の中の、Ⅱ-6 カヴァロッティ通りの老狐──『アンナ・マクダレーナ・バッハの年代記』をめぐるストローブとの対話=伊藤はに子、に狐が姿を出した。
記憶ではこう。老狐の唐突な質問「あなたも狐なのか?」

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