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後者は、当時流行ってたコンテンツで二次創作やってた強みだなと思います。これが流行ってないやつの二次創作とか読者ゼロからのオリジナルとかだとフィードバックループが作れずに筆を折ってたでしょうね。

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私は小説をやり始めたのが遅く(22歳前後)眼高手低が極まっていたのですが、きっかけが「好きなキャラクターの二次創作を増やしたい」で使命感に突き動かされていたので巧拙はいったん気にしなかったというのはありますね。やがて初期衝動が収まった頃にはないなりに基礎体力がついてて、やはりないなりに技術を身につけようという気持ちも起きてて、地獄からは這い出せていた感じです。
また、こちらの要因の方が大きいかもですが、二次創作としてウェブに出していたので読者からのフィードバックも早く(要するに上手ければチヤホヤされたし、そうでなければ反応が薄かった)、読者を意識しつつ上手くなるためのインセンティブが猛烈に働きました。

『ザ・スタッフ 舞台監督の仕事』(伊藤弘成)
〈自分の小説〉の資料のために。大学時代の舞台系サークルのときに読み継がれていた「聖典」だった一冊(マジでボロボロで、あちこちに書き込みと付箋がされていた)。先日、本屋で不意に見かけて手に取った。卒業してからスコンと記憶から抜けていたのだが、現物を目にして様々な記憶が蘇った。
基本的に、イチから舞台を作る学生さん向けの本である。内容についてはここで紹介しても仕方ないので省く。
自分用メモ: 第IV章は特に使える。

honto.jp/netstore/pd-book_0108

(公開範囲を間違えてたので再投稿)

「竜と沈黙する銀河」(阿部登龍)

竜のレースの騎手として生を受け、やがて紛争で分かたれた姉妹が25年の時を経て再会する──。
読みどころはやはり、竜が当然のように存在する地球か。私たちの知っている地球に竜がいるのだが、設定の辻褄を合わせるような無理が一切なく、我が物顔で暮らしている。本編で語られたストーリーの背後に、竜のいる地球の歴史を感じた。
最後に開かれたレースが好きですね。語りは内省的なモノローグが多めながらアクションは全体を通してテンションを上げ続けている。レースが描かれることは読者の誰もが予感するところで、「まだかまだか」と焦らされ続けて最後の最後に疾走感のある乗った筆でやってくる。
散りばめられたガジェットやこの世界に特有の新種も味があり、ホタルリクガメの下りは相当秀逸。シリーズで読みたいと思わされました。

お疲れ様です。とりあえず良かったですね!(同僚のひとはコロナからインフルのコンボを喰らってます)

『聞く技術 聞いてもらう技術』(東畑開人)

カウンセリングに20年近く携わってきた著者による、素人の私たちでも「聞く」ことができるようになるための一冊。本書の特筆すべき点は、類書にあるような「聞く」だけに焦点を絞ったものではなく「聞いてもらう」にまでアプローチした点。「聞く」と「聞いてもらう」とはセットであって、循環しながら補完するものであるというのが本書の趣旨。
また、私はここを興味深く読んだのだが(やはり類書にあるような)小手先のテクニックを紹介しつつもさらにその背景……つまり、「聞く」/「聞いてもらう」が機能不全に陥っているときには「孤立」が原因となっているのだ。孤立を一朝一夕に解決することはできないが、小手先でも「聞く」/「聞いてもらう」を徐々に機能させていくことは不可能ではない。本質的に時間を必要とする営みであるが、そのための手がかりは誰にでも手の届くところにある……そう説く本書に救われた気がした。

amzn.to/3LUk5pb

『マナーはいらない 小説の書き方講座』(三浦しをん)

途中でギブ。
小説の書き方を24+αの章から説く一冊。想定読者は、①ウェブ系を中心に活動しており、②短編をより良く書きたい書き手か。自分が想定読者から外れていたのと、1章当たりの情報量が少なく読み応えに欠けていたのとで、私のための本ではなかった。また、筆者の体験がいい具合に一般化されていなかったのも個人的にはマイナスポイントでした。

『大規模言語モデルは新たな知能か ChatGPTが変えた知能』(岡野原大輔)

ChatGPTを初めとする大規模言語モデルの仕組みを、基礎技術から新たな萌芽技術まで幅広く紹介しながら、数式抜きで解説する。
知り合いに情報系の方々が多いのだが、彼らの話す言葉が年々わからなくなっていた(「逆誤差伝播法」とかね。「汎化」とかでさえ正確にはよくわかってないし、そもそも超重要らしい「シャノンの定理」からしてふんわりもわかってなかった)。大規模言語モデルの前身のディープラーニングからその前身のニューラルネットワークまでキーワードを丁寧に紐解いて通史的に書いた本書は、全体像を見通すのにうってつけの一冊だった。
ところで、本書を含む「岩波科学ライブラリー」は、私のデッキになかったが、ブルーバックスよりほどほどに高度っぽく、私はちょうどいい読者なのかもしれないと思った。
amzn.to/45hS6Xu

私は小説をやる人なのでどうしても「会話シーンの勉強のために」という側面で読んでしまっててあまり素直な読者ではないのだけれど、本書は、会話のことを一つの技術だと捉えているらしく、心強かったですね。言葉そのものや言外の意図を織り込んだ会話は、それだけでアートであって、たぶん技術でつくれる。会話が成立する背景とか、話者のキャラクター性とか、そういうのを分析すれば、たぶん頭で(そこそこは!)つくれる。そう思わせてくれるような一冊でした。

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『会話を哲学する:コミュニケーションとマニピュレーション』(三木那由他)

会話がどのようにして成り立つのかを分析する一冊。会話を「コミュニケーション」および「マニピュレーション」の側面に分解し、前者は互いに約束事を形成すること、後者は聞き手の心理に影響を与えようとすること、と定義する。日本の(比較的)新しい漫画・文芸から様々な会話をサンプルとして取り上げ、それらが有する「コミュニケーション」および「マニピュレーション」の側面を実作と照らし合わせながら説明する。
個人的に興味深かったのは、「コミュニケーション」が備える約束=責任の側面を成立させるため/あるいは成立させないために高度な心理戦が仕掛けられるということ。『同級生』の分析が面白く、お互いに(内心では)了解している事柄だけれど口に出してしまうと約束=責任が生じてしまう……、責任を負いたい側(責任を負わせたい側ではなく)からのアプローチという考え方は、私の抽斗にはなかった。勉強になる。
amzn.to/3toweMS

「教養としてのエントロピーの法則」(平山令明)

本書は構成に特徴がある。エントロピーのさわり、情報エントロピー、物質のエントロピー、筆者の考える未来論の4章構成となっている。私は物理工学科を出た読者なので、情報エントロピーが物質のエントロピーより先に置かれていることに面白味を感じた。読み進めると納得で、平易で抽象的なコイン/サイコロを使った思考実験(情報エントロピー)から、複雑で具体的な気体/熱の挙動の解説(物質のエントロピー、自由エネルギーなど)へと、平易な抽象から複雑な具体へと発展していく。
エントロピーを数式で表現することを恐れなかった点は見事である。いい意味で学部時代の講義を思い出しながら読めた。また、情報と物理の「乱雑さ」がどのように似ているかを、高々150ページの1冊で例示できたのはむしろ編集の腕が光ったか。総じて「なんかわかった気にさせてくれる」1冊である。
ただ、想定読者が割と謎で、対象は理系高校生~理系学部1年生向けか(文系課程の読者でも読めるようにと書かれているが、正直に言うとかなり困難だと思う)。もう少し専門向けか一般向けかにしても良かった感はある。
また、未来論は特に読むに値しない。
amzn.to/3RLyKa1

9月に読んだ本は以下の8冊でした。
①『パリのエトワール パトリック・デュポン自伝』(パトリック・デュポン)
②『半導体産業のすべて』(菊地正典)
③『外資系コンサルのリサーチ技法 事象を観察し本質を見抜くスキル[第2版]』(上原優)
④『ゲーム理論の〈裏口〉入門 ボードゲームで学ぶ戦略的思考法』(野田俊也)
⑤『ファシリテーションの教科書』(グロービズ、吉田素文)
⑥『スクリプトドクターの脚本教室・中級篇』(三宅隆太)
⑦『演劇入門』(平田オリザ)
⑧『チクタク×10』(ジョン・スラデック)(そのまま読書会に雪崩れ込んだため文章としては残っていません)

231002 2023年9月に読んだ本まとめ - 箱庭療法記 yobitz.hatenablog.com/entry/20

ヨーロッパ企画の企画してはどうでしょう?

『アウトラインから書く小説再入門』(K. M. ワイランド)

たぶん4回目くらいの再読。
小説を書くときに「プレミス」(=一文で小説を示す文章)を作れって言われるじゃないですか、で、「アウトライン」(=プロットのようなもの)を作れって言われるじゃないですか。その作り方の本ですね。
『ストラクチャーから書く~』はプロットの構造(1:2:1で分けましょう、とか、行動-反応を書きましょう、とか)だったのに対して、『アウトラインから書く~』はプロットのあり方について論じています。つまり、プロットを広げ、深めていくにはどのように自己(=キャラクター)と対話をしていくべきか、と。
プロットをどう書けばいいか悩んでいる人向けの一冊。

amzn.to/3EVrC3n

で、『アウトラインから作る小説再入門』を読み直しているんですが、私って自己肯定感がバグってるので「「五つ星レビュー」シミュレーション」を採り入れてみようかなとおもいました(パーフェクトな「五つ星レビュー」を想定して、小説のコンセプトが完全に理解されたと仮定して、具体的かつ多角的なレビューを書いてみる手法。外部から見つめたときの小説の方向性を明確にすることができる)。

『ストラクチャーから書く小説再入門』(K. M. ワイランド、シカ・マッケンジー)

小説を書くときのバイブル。たぶん5回目くらいの再読。
大枠としての三幕構成の基本的な考え方から、さらに踏み込んで、各幕を形成するシーン、シーンをさらに「シーン(アクション)」と「シークエル(リアクション)」に分解し、最後は「シーン」と「シークエル」とを最小単位まで説明し尽くす。
プロットを立てるときの手順を様々提示してくれて、長編を書くことが怖くなくなる。そう、手順が分かれば怖くなくなるのだ。
amzn.to/3RCChrf

『アイドルマスターミリオンライブ! 第3幕』(綿田慎也)

ミリアニ第3幕の感想と、全体を通した総括です。第3幕に関しては【GOOD】多め、総括としては辛めです。

はてなブログに投稿しました
230930 映画『アイドルマスターミリオンライブ! 第3幕』(綿田慎也)観ました。 - 箱庭療法記 yobitz.hatenablog.com/entry/20

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