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あたしか さんがブースト

かような京都における知的状況を横目に見た上で、「シュルレアリスムと京都」展では上記の画家たちの戦後の仕事にもスポットライトを当てていたことにも注目すべきでしょう。北脇は既に戦前からモダンに再解釈された八卦という謎のモティーフを多く描くようになっていましたが、さらに小牧は戦中から仏画のような画風に移行し、戦後には仏教に限らない民俗学的なモティーフが頻出するようになる。これらの例は日本におけるシュルレアリスム/シュルレアリストをめぐる日本回帰の問題について考えることを見る側に迫っています──戦前のフランスにおいて画家や思想家(バタイユとか)に伍して活動していた岡本太郎(1911〜96)が、戦後は画業の一方で縄文土器を顕揚したり東北や沖縄の祭りを撮影したりしたことが、かかる日本回帰の例として俎上に乗せられるものですが、ことは岡本だけの問題ではないわけです。ばかりか北脇や小牧のかかるモティーフの変遷は、それが戦争直前〜戦中になされたこともあり、日本独自の「転向」というモーメントと合わせて岡本以上に日本におけるシュルレアリスム/シュルレアリストが内在的に抱えていた盲点をヴィヴィッドに晒しているのかもしれません。

京都という場に局限することで見えてくる問題系はなかなか厄介であり、その厄介さを絵画と資料を通してしっかりと見せていたことで、この展覧会は「シュルレアリスムと日本」展の良き補遺となっていたのでした。こちらはその「シュルレアリスムと日本」展終了後もしばらく続き、2月18日まで

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あたしか さんがブースト

京都文化博物館、「シュルレアリスムと日本」展に併せて、「シュルレアリスムと京都」展が開催されています。普段は祇園祭関係の展示が行なわれるスペースを使って、京都で主に活動した画家たちの1930〜50年代の作品や関連資料が並べられていました。

日本のシュルレアリスム受容史において画期的だった、瀧口修造らの企画による
海外超現実主義作品展が京都に巡回したのは1937年のこと(ちなみに同年には福沢一郎(1892〜1982)が『シュールレアリズム』を刊行している)。それに接した北脇昇(1901〜51)や小牧源太郎(1906〜89)、今井憲一(1907〜88)、伊藤久三郎(1906〜77)といった画家たちが遅ればせながらシュルレアリスムを吸収して画業を展開させていくわけですが、京都において特徴的なのは、彼らの周辺における知的状況のために、シュルレアリスムの運動体としての側面がさらに前面に出ていたことであると、さしあたっては言えるでしょう。京都では当時の京都帝国大学の若手を中心に自由主義者と非共産党系マルクス主義者との協働が見られていたそうですが──1937年に(そのような協働の成果とも言える)「世界文化」誌の同人たちが思想犯として大規模に摘発された事件が人民戦線事件と呼ばれたことが、京都の知的状況を逆説的かつ端的に象徴している──、そのような知的状況の急変の中で彼らが画業を展開していったことが「シュルレアリスムと日本」展における同時期の出展作以上に生々しく読み取れる作品が出ていたのでした。

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:puppu: 

大阪のテート美術館展、入場者10万人突破 14日まで - 日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF05ABY0V00C24A1000000/

どうしても
「チート美術館」と空目してしまうわけですが:blobcatnervous2:​​:akan:というかそんなタイトルの異世界モノが既にありそうではありますね。転生先の異世界チート美術館で学芸員やってますとか:ablobcatgooglymlem:

中之島美術館でのテート美術館展、当方も昨年末に見に行きましたが、「光」をテーマに作品を並べるって、それは事実上どんな作品を持ってきてもいいやつなのでは……
:blobcatthink: とはなりました(まぁでもジェームズ・タレルの作品を館内に設えてたのはなかなかやりおったなぁ感あります)

河南町、太子町、千早赤阪村が未来協議会「合併も選択肢とした議論」:朝日新聞デジタル asahi.com/articles/ASS177H2GRD

河南町には大阪芸大がありますが、もし三町村合併となったら、またいろいろ超展開がありそうですね。さすがに大学自体の移転とかはないでしょうけど :blobcatnervous2:

VC&Aの奨学生展、昨年も拝見したことがありますが、本業のジュエリーデザイン、もしくはそれ周りの工芸(金工とか)にあまり関係なさそうな分野からも積極的に選んでおり──昨年は螺鈿や木彫、陶芸などを専攻している学生から選ばれてました──、これが向こうの本気のブランディングか…… :blobcatthink:  となったもので。で、彼/彼女たちはこのあと心斎橋にあるVC&A大阪店のウィンドウディスプレイも任されており、カネも職人としてのキャリアにつながる仕事も融通するって、これが向こうの本気のブランディングか……(←2回目)

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京都の美大界隈もそろそろ卒展シーズンですが、南丹市にある京都伝統工芸大学校( task.ac.jp/ )の卒展も烏丸三条の京都伝統工芸館で開催されるんですね。2024.2.10〜18。今年もフランスのハイジュエリーブランドとして知られるVan Creef & Arpels(VC&A)の奨学生展が同時開催されるようです

あたしか さんがブースト

ところで展覧会に合わせて図録が青幻舎から刊行されていますが、最新の研究に基づくコラムや論考がみっちり収録されており、読みごたえ十分。むしろこっちの方が本番説すらありまして、普通にマストアイテムです。 [参照]

あたしか  
当方の展覧会初めは京都文化博物館で開催中の「『シュルレアリスム宣言』100年 シュルレアリスムと日本」展。1924年にフランスでアンドレ・ブルトン(1896〜1966)が「シュルレアリスム宣言」を刊行して今年で100年になるのを機に、日本において美術家たちがいかにシュルレアリスムに向き合ってい...
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シュルレアリスムといいますと、人間の無意識などの非理性的な領域を様々な技法によって幻視&探究&表現していくというのが最も簡略化された一般的な理解でしょうが、この展覧会では(国際的な)美術運動としての側面も強調されることで、むしろ運動としての中央値を全国レベルで測定していくことが目指されていたと言えるかもしれません。そうすることで東京以外での動向もまた視野に入れられ──日本における、瀧口修造(1903〜79)と並ぶシュルレアリスムの運動家として知られる山中散生(1905〜77)が最も活発に活動していたのが名古屋時代だったこととか、普通に知りませんでしたし──、それまでのシュルレアリストたちの布置とは若干異なった角度から見直す材料があちこちに転がっていて(とりわけ、日本への紹介者のひとりとして東郷青児(1897〜1978)を持ってくるところは、かなり攻めている)、なかなかな知的刺激がありました。2月4日まで

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あたしか さんがブースト

当方の展覧会初めは京都文化博物館で開催中の「『シュルレアリスム宣言』100年 シュルレアリスムと日本」展。1924年にフランスでアンドレ・ブルトン(1896〜1966)が「シュルレアリスム宣言」を刊行して今年で100年になるのを機に、日本において美術家たちがいかにシュルレアリスムに向き合っていったかを、主に1920〜30年代の絵画や写真、機関誌などの各種資料によって跡づけていくというものとなっています。

「シュルレアリスムと日本」というタイトルで既に雄弁に示されているように、今回は全国各地の美術館に所蔵されている日本人洋画家や写真家、詩人、美術評論家の作品や資料だけで構成されています。しかも戦前期の日本におけるシュルレアリスムの代表作と目されている絵画がほとんど出ていない──有名どころというと、靉光《目のある風景》くらいだったでしょうか。そうすることによって、
シュルレアリスムがまず何より運動体であるということ、従ってその移入と伝播の軌跡を辿り直すこともまたシュルレアリスムであることが、いつも以上に強調されていたと言えるでしょう。展覧会に接する前はシュルレアリスム絵画入門編なのかなぁと思っていたのですが、全然そんなことはなかった:blobcatthink:

@awajiya あ、そういう文脈でしたか。イーロン某がドラッグの常習者というニュースに接したから、ごっちゃになってしまいました

@awajiya ヒ◻︎ポンで味覚もそれ以外もだいぶ破壊されてたでしょうし :blobcatnervous2:

「当意即妙──芸術文化の抵抗戦略」展|2024.1.12〜2.19|京都芸術センター kac.or.jp/events/34900/

・出展作家:Masking/Unmasking Life、3 AM Performance Art Collective、WART、ドキュ・アッタン、Yangon かるた
・企画:居原田遥

2021年に軍事クーデタが起こり、今なお軍政が続くミャンマーですが、そんな同国における《クーデター以降に生じたアート、映画、音楽など、さまざまな文化実践から生きる希望を見出し、政治・社会的困難と文化のあり方を考えるための展覧会》とのこと。京都芸術センターも年頭からなかなかハイブロウな企画をぶつけてきますね。上手く時間を作って見に行きたい

京都蔦屋書店エキシビジョンスペース&ギャラリーを見て回りました

【本日お救いした文物】ニコラ・ブリオー(辻憲行(訳))『関係性の美学』(水声社)、沼野雄司『トーキョー・シンコペーション 音楽表現の現在』(音楽之友社)

今年最初の展覧会めぐり、本日は京都。京都文化博物館を見て回りました

日程をfixできなかったし、なんか熱も出てるしで、結局行けずじまい…… :ablobcatgooglymlem:
QT: fedibird.com/@wakalicht/111582
[参照]

あたしか  
社会学部芸術文化事業 映画上映会&トークセッション「風景の変容」 |追手門学院大学 https://www.otemon.ac.jp/event/other/_17357 2024.1.6|茨木市福祉文化会館|出展作家:ハルーン・ファロッキ、原田裕規、鈴木光、追手門学院大学社会学部社会文化デザ...

兵庫県立美術館で世界的画家「キース・へリング」の展示会、6mの大型作品など150点(Lmaga.jp) news.yahoo.co.jp/articles/ef56

2024.4.27〜6.23、兵庫県立美術館。3階ギャラリーが会場ということは、企画展ではないことになりますので…… :blobcatnervous2: :sticker_dangerous_items:

あたしか さんがブースト

「◯◯が選ぶ展覧会」的な話題、みんな好きなんだなあ。私は展覧会見ることも仕事のはずなのに、去年は全然行けなかったので、その結果にも指くわえてるだけだけど。
いっそ逆手に「2023年、見に行けなくて悔しかった展覧会3本」とか挙げてみようかしら(懺悔)。よかったら皆さんも一緒にどうですか?
twitter.com/enakakioa/status/1

東京や関東で開催された展覧会を全スルーした以上、3本に収まるわけもないんですが、それでもムリヤリ三つに絞るなら
 ・「風景論以後」展(東京都写真美術館)
 ・「「前衛」写真の精神:なんでもないものの変容」展(千葉市美術館ほか)
 ・「堀尾貞治 あたりまえのこと 千点絵画」展(BBプラザ美術館)
あたりでしょうか。

ところでこのツイートをした方は和歌山県立近代美術館の学芸員ですので、まぁ和歌山は(関空が近くにあるとはいえ)なかなかよそに行きにくいですから:blobcatnervous2:

京都市教育委員会事務局:堀川御池ギャラリー棟内 元アクアスペースに係るトライアル・サウンディングの実施 city.kyoto.lg.jp/kyoiku/page/0

昨年10月に京都市立芸術大学の移転先(塩小路河原町一帯)に移転したギャラリー@ KCUAですが、空き家となった堀川御池の建物の再利用試案を募集しているようで。今年5月から来年2月までの期間で、施設使用料が無料なのは起業家(起業家?)的には魅力的でしょうけど、《※利用に伴い生じる光熱水費は試行的利用者の負担となります》というのがネックになりそう? :blobcatnervous2:

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