奈みほ(豊子)「お勢登場」江戸川乱歩原作
乱歩の不気味な話。前読みさんなので時間が短く、ちょうど「ああ続きが知りたい!」と思うところでお時間に(^^)。気になってあらすじを調べたけど、さすが乱歩、そうきたかという感じ。勧善懲悪じゃないのがいいね。
奈みほさんはほんとに声がのびやかで美しいなあ。啖呵もよい。節はこれからきっと上手になる。
実子(秀敏)「姥捨ての雪」
楢山節考のハッピーエンド浪曲版みたいな感じ。これがとてもよかった。節は発展途上なのではあろうが、とにかくその迫真の熱演。ものすごく胸打たれた。あと驚いたのは、曲師の秀敏師匠。この方浪曲師でもあり、たしか90歳くらいだと思うんだけど(一度聴いた)、合いの手の声がものすごく高くて女性みたいだった。驚いた。
奈々福(豊子)「浪花節更紗」正岡容原作
今日の一番はやっぱりこれかな、奈々福師匠はさすがだ。なんかこう、喜劇味のある芸道一代記物の映画を一本見終えたような満足感。ものすごく面白かった。筋書き自体も面白かったし、演じ方・見せ方・魅せ方が本当に上手。天性のエンターテイナーだと感じる。
勝千代(まみ)「甲州街道桃太郎伝説」
先月の日本橋の独演会でも聴いた一席。あのとき鬼を「退治するかしないか」を客に挙手させて決めて、「退治しない」になったから、今回は「退治する」も聞いてみたいと思ってそちらに手を上げたけど、明らかに少数派で、今日も退治しないバージョン。でもいい。やっぱり退治しちゃだめだよ。酒まんじゅう食ってみんな仲良くいこう。今日はご当地PRにさらに熱が入って、それが何とも可愛らしかった。最後の最後は、普通のおしゃべりを節に乗せて歌って、はあああ、即興でできちゃうんだと感激。声量も節も今日もすごかった。
講談 安久鯉「天保六花撰より 河内山宗俊 玉子の強請」
これ、師匠の松鯉先生で前に一度聴いたのだけれど、前段もちゃんとやったせいか、今日のほうが話がよくわかって面白かったし、ものすごく引き込まれた。やっぱりさすがだなあ。
あと今日もまたしみじみ思ったのだけれど、やっぱり女流浪曲師さんが好き。