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2023年1月16日(火) 池袋演芸場の正月二之席へ。

池袋の二之席はまだ正月気分が残り、料金も高めだし獅子舞も出たし、演者も普段より多い。その分、短めながら色々な噺が聞けたのはいい……のだけれど、客の入りが本当に寂しかった。わたしの寄席人生で一番少なかったかもしれない。最後までいたのは20人くらい? やる側もやりにくいだろうし、張り合いもないだろうし。何より、笑い声に厚みが出ないというのは、客の側からしてもどうにもやりにくい。

それに、客席の隙間がそのまま心の隙間になって、つい余計なことを考えてしまう。これで取り分はいくらなんだろうとか、鈴本の喬太郎は満席なんだろうなとか、そういう話を伝え聞くとどういう気持ちなんだろうとか、なんだか客として申し訳ないとか。客が入っていればいるほど楽しくなる。寄席の場の空気は演者と客が共につくる。それが寄席の真実だと、しみじみ感じる夜だった。(つづく)

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